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「…は、はい?」
「あ蜘蛛音さん?そらるさん」
「え…っと、いま、開けます」
どうしようか。
開けると言ってしまったからには開けないといけないし。
だから、包帯も巻けない。
でも、血を流したままいらっしゃいなんて無理。
…とりあえずもう一つ新しいタオルを巻く。
そうして鍵を開けてそらるさんを中に入れる。
「どうしたんですか」
「96猫の家で作業してた帰り」
なるほどと答えて中に入れる。
あ、また掃除してないと思いながら飲み物の準備。
コップに飲み物を注いでいたら後ろから大きな影ができる。
それから、ゆっくりと左手を掴まれる。
「…何この分かりやすいタオル」
「だって突然来たから…」
そう言っている間にタオルの結び目を解かれる。
まだ、血が絞り出せそうな感じ。
少し強く結んだから周りも赤くなっている。
それを見たそらるさんの表情が見られない。
どんな顔をしてるんだろう。
気持ち悪いかな?
どうしようかと迷っていれば
腕を引かれてソファーに座らせられる。
「タオルはダメだろ。ほこりとか入る」
そう言って腕をそっと撫でられる。
それから、包帯とかの場所を聞かれる。
言えばそれを取りに行ってくれるそらるさん。
自分で行こうとしても動かせてもらえず
消毒等を持ってきてくれて手当してくれる。
「そんなことしなくていいですよ」
「お前はさりげなく不器用だからダメ」
…優しいな。
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れいら(プロフ) - 青黒狐さん» 返信に1年もかかり申し訳ありませんでした。コメント、ありがとうございます。この作品が、青黒狐様にとって素敵な作品になれたなら、とても嬉しいです! (2021年1月9日 13時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - ゆうさん» 返信に1年もかかり申し訳ありませんでした。コメント、ありがとうございます! (2021年1月9日 13時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
青黒狐(プロフ) - あなたの文章に惹きつけられました。読めて良かった。本当にありがとう。 (2020年3月28日 1時) (レス) id: 9d8461f712 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - すごく面白かったです!(今更) (2020年1月5日 18時) (レス) id: c9130f71a4 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - お聖さん» コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。たくさんの褒め言葉、とても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2019年8月17日 8時) (レス) id: 72cfa00c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Luna x他1人 | 作成日時:2019年3月28日 16時