反社のかわいいおバカちゃん【梵天】

11.いい女 ページ11

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｢いい女〜に〜なりた〜い〜｣









朝の七時。




フライパンにフライ返し、エプロン。


一つにまとめた髪、お出しを入れた鍋。






めっちゃいい女！






ご機嫌で鼻歌なんか歌って、あっちに行ったりこっちに行ったり。










｢ご機嫌だな｣








ふんふん言いながらお鍋がグツグツ言っている間に洗い物を片していた時に聞こえた声。



超ビビり散らかして、ひょって言ったと思う。





なんなら反動でお皿わりそうになって焦る。










｢お、おはよう蘭ちゃん。今日も朝から眩しいね｣





｢お前は朝からうるせぇな｣





｢え、うるさかった？やだなぁ照れる｣





｢どこに？｣





｢今日は和食だよ｣





｢俺の分あんの？｣





｢なかったら怒るじゃん｣









いつものスーツと違う、ラフ〜な蘭ちゃん。




とりあえずブラックねってAちゃんブレンド、ちなみに普通に既製品の粉のコーヒーを蘭ちゃんにいれる。









｢お前いい女んなりたいの？｣





｢聞いてたの？｣





｢あんなでけぇ声で歌ってたらそりゃ聞こえるよな｣





｢あはは、やだなぁ、そりゃ誰だってなりたいでしょ｣





｢ここで恥ずかしがれよ｣





｢蘭ちゃん的には、いい女ってどんな女？｣





｢･･･美人で｣





｢うんうん｣





｢出るとこ出てて｣





｢うんうん｣





｢やることできて｣





｢うん、うん？｣





｢へばらずに俺の相手できる女かなぁ｣





｢夜のお相手が上手だと、いい女？｣





｢･･･なりてぇんだっけ？いい女｣









鮭の骨抜きをしている手を止めて、いやぁな予感から目をそらさずに、蘭ちゃんをチラッ。





ニヤッと笑う、悪いお顔。







これは、いい男の微笑み･･･じゃなくて。










｢い、いや、今は、ちょっと遠慮･･･｣





｢仕方ねぇな、試してみっか？蘭ちゃんで｣





｢な、ななな、何をでしょうか？私今は、忙しくってですね｣





｢いい女としておめぇに足りねぇのは夜の技術と慣れだろ、おら、相手してやっから｣





｢いやほんとに、大丈夫！まだ夜じゃないし！ご飯！ご飯作る！｣





｢遠慮すんなって｣





｢させて！遠慮させて！｣









よっこらせ、っと私を担ぎあげた蘭ちゃん。





これはやばいぜ旦那、と必死に暴れる私。







ココくんが3徹目で怒って止めてくれなかったらまじ危なかった。



ありがとうココくん、拳骨痛いけど。





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