愛を知りたい 【三途春千夜】

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｢･･･電話｣








諸事中、春千夜の携帯が鳴った。









何度もしつこく鳴るから、さすがに申し訳なくなって、春千夜に声をかけた。










いい雰囲気だったのに、私もそう思っていたし、きっと相手もそうだと思う。





舌打ちをした春千夜は繋がったまま電話に出る。










そういうサービスしてないから！と慌てて抵抗しようとする私を当たり前のように固定して、人の上で、ニヤリと笑う。









｢何｣








･･･もっと不機嫌な態度をとると思っていたのに、春千夜は思っているよりずっと優しい口調･･･と言っても、そりゃあの春千夜だからお口は悪いんだけど。









なんだろう、蘭や竜胆ではないな。




あそことこの人は仲間じゃなかったら多分万年殺しあってるから。







それじゃあ誰？







ココだったら、多分春千夜じゃなくて私に電話をかけてくる。




春千夜だと面倒だってことをよくわかっているから。







鶴蝶はまず電話してこない。



余程急用じゃなければ邪魔をしてこないだろう。










となると、外部の人か。






スクラップ対象かな。











必死に違うことに頭を巡らそうと色んなことを考えてみる。








そんな私を見て、楽しそうに笑う春千夜。










人が声を我慢している姿はそんなに面白い？









｢･･･ねがい｣








電話を切ったらどうしてやろうかと考えていた私の耳に、可愛らしい、綺麗な女の人の声。









なるほど、女か。








女と電話しながら私を抱いてるの？この人。











｢あぁ、すぐ行く、待ってろ｣











しかもすぐ行くって？













私は電話を切った春千夜の手を口元まで誘って、思い切り噛んだ。
















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