愛を知りたい 【三途春千夜】

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生きたいという本能か、背中からでなく、腕から落ちた。








そう多く人はいないけど、急に人が落ちてきたら驚くよね。









周りがざわついて、目の前に、きらきらひかる革靴。







あと一歩で事故ってたな。










｢･･･ごめんなさい。怪我してないですか｣










左腕が酷く痛む。






腕だけじゃない、左側が、ズキンズキンと痛む。







座り込んで、いたっ、と声が出た。










｢お前何やってんだ｣










聞き覚えのある声に、ハッとして、ドレスの裾を見ていた顔を、思い切り上げてしまった。








見覚えのあるピンクに、口元の傷。





綺麗な顔。










｢･･･春千夜｣




｢どっから降ってきた今｣




｢屋、上？｣




｢あ？なんで？｣




｢色々、あって｣









気まずさから目を逸らして、左腕に目をやればジワジワと広がる赤と、青。







明日からしばらくドレスは長袖だな。










春千夜の最近お気に入りの子に押されましたーなんて被害者振れば可愛げがあるのに、なんだかそれもできないで、気まずい空気が流れ続ける。










｢･･･はぁ、頭打ってねぇのかよ｣




｢･･･多分、大丈夫、だけど｣









座り込んでいたら周りの目も気になる。







そう思って、ゆっくり立ち上がろうとしたけれど、足に上手く力が入らない。




それに、体が妙にふわふわした。









｢･･･ほんとかよ｣




｢頭は、多分、大丈夫だけど、捻挫したかも｣









私の様子に気がついた春千夜がそっと、背中を支えてくれる。








もう、何が原因で気まずかったのかもよく覚えていないからか、なんだか分からないけど、春千夜はそっと、私を抱き上げた。



















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