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反動は思ったより大きくて、手が少し痺れる。
ピリピリって、痺れたまま、ランにぃを振り返ってみた。
後ろには私を苦しめた死体。
「こいつの傍では、死にたくない」
笑って伝えても、ランにぃは何も言ってくれない。
怖くて、ランにぃを見られなくて、ちょっと俯いてしまう。
愛する人に殺されるのは、幸せかなぁ。
「殺さねぇよ」
ポンッ、って頭に大きな手。
えって、思わず顔を上げたら、いつもの笑顔のランにぃが私を見てる。
リンにぃも、どこか安心したような笑顔。
「で、も、いいの?そんなの、」
「あっさり人殺せるあたり、お前才能あるわ〜」
「・・・反社の?!」
「俺がお前のこと拾ってやる。ただし、お前はこれから自由の身じゃなくなる。
勝手に外出てんのも、逃げんのもできない。今のうちに殺して欲しいなら殺してやるよ」
ランにぃの表情は変わらない。
簡単に、殺せるほどの存在なのだ、私は。
それでもいいや。
なんでもいいや。
ランにぃに彼女がいて、婚約者がいて、どんな浮気者でも、もういいや。
だってそばにいたい。
いられるまで、ここに居たい。
温かいランにぃの手、優しい手。
私がどんな立場でも、ランにぃ達のお荷物でも、捨てられるまで、殺されるまで、死んでしまうまで、ここに、居られれば、それでいいや。
好きな人に拾ってもらえるなんて、こんないいことないはずだ。
「・・・ランにぃ達と行く。・・・私の事、拾って?」
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☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時