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次に目が覚めたのは、ランにぃが動く気配がしたから。
スッと目が覚めて、名前を呼んでみる。
私の横で起き上がったランにぃが、私に視線を渡す。
ん?って声を出して私の頭の上に手が乗る。
心地いいその動きに思わず口角が上がる。
「起きる?」
「まだ寝てたいなら寝ていーよ」
「ランにぃと起きる」
2人でもう1度寝るのもありだなって思ったけど、せっかくだからランにぃとの記憶を増やしたい。
グッと伸びて、起き上がる。
ランにぃとリビングに行けば、リンにぃはいなくて、仕事かなって。
2人でお水を飲んでから、洗顔、歯磨き、髪をとかして、朝の準備。
無駄に伸びきった髪の毛は、ランにぃが綺麗に結んでくれた。
「この間拾ってくれた時」
「ん?」
ランにぃが私にココアを渡しながら聞き返す。
一口、温かいそれを飲んで、ランにぃをちらっと見る。
「ご飯作ってとか、掃除してとか、言ってたけど、することないよね」
あの日、2人は既にご飯を食べてたらしいし、部屋は誰が掃除してるのかいつだって綺麗。
どうして?って、ランにぃを見上げてみる。
ランにぃは香ばしい匂いのするコーヒーを一口。
ふぅ、って、一息。
「お礼言わねぇと来なそうだったもんお前」
確かに、酔ってそうだなとか思って断ろうとしてた記憶がちらり。
酔ってたって、これからは拾われれば来ちゃうだろうな、って、ため息。
まだ3回目、されど3回目。
私は完全に、ランとリンが本名かどうかも定かでない2人に心を許してしまってる自覚がある。
「朝ご飯、私作る?」
「それ、お礼カウント?」
「・・・ランにぃがそう思わないなら、違う」
そうだと言えば、お礼は少しずつ消える。
返すものは減る。
会える可能性も。
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☆真菜*(プロフ) - ありがとうございます! (2023年3月28日 18時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ☆真菜*さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しいです!ぜひぜひお好きなようにお願いします〜!ありがとうございます〜! (2023年3月28日 18時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
☆真菜*(プロフ) - 素晴らしい作品を見つけてしまった!どうか私の小説の方でるるさんを宣伝(紹介)してもよろしいでしょうか!!!! (2023年3月28日 9時) (レス) id: af29f1e969 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - ミルねこさん» コメントありがとうございますー!とっても嬉しいです!今後もよろしくお願いしますー! (2023年3月17日 16時) (レス) id: bc1f8927b1 (このIDを非表示/違反報告)
ミルねこ - うっ……神作品を見つけてしまった…!夢主ちゃんに感情移入し過ぎで涙腺ヤバいです……!!蘭ちゃぁぁ〜ん!!早く連れ出してぇ!!続き、楽しみにしてます!! (2023年3月16日 21時) (レス) id: 0b8b35e0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るる | 作成日時:2023年3月2日 0時