反社とJK【灰谷蘭】

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エンディングが流れて、ふぅ、って息を吐く。



温かったココアは、集中してるうちに冷たく、少なくなった。


途中で立ち上がったランにぃが持ってきたスナック菓子は、カスだけが残ってる。








｢面白かったね！｣





｢お前の反応がな｣








終わったと同時にランにぃを見て伝えれば、フッと笑ったランにぃが見えた。



私の反応が面白かった。

映画中、私を見てた瞬間があるってこと？



どんなことしてたっけって、焦っちゃう。

集中してたから、なんにも思い出せない。








｢･･･恥ずかしいことしてた？｣








私の質問に、また、プッて笑うランにぃ。


何が面白いの！って、怒ったふり。




首を横に振るランにぃ。

次は、何が違うの？って聞いてみる。









｢可愛かったよ｣








スムーズに出てきた、言葉。

初めて言われた単語。




可愛い？誰が？って、私しかいない。


胸がきゅってなって、また、恥ずかしくなる。



今日のランにぃは、意地悪だ。

優しい意地悪だ。


私をからかって、楽しんでる。








｢顔真っ赤｣





｢･･･言わないで｣








今まで見た事ない、楽しそうな笑顔。


ははって、私を見て笑う。ランにぃの笑顔。








｢昼は何作ってくれんの？｣








まだ、ここに居てもいいんだって。







｢何食べたい？｣








せっかく見た映画の余韻もなくなって、感動したシーンすら思い出さないで、ランにぃの隣にいる。






この時間が一生続いたなら。


なんて。












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