あなたは浮気性 【三途春千夜】

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「文化祭の買い出し、行く人決まった？」




「先生車出してくれんのー？」




「出すから早くしないと先生勝手に買ってくるよ！」




「何をだよ」








一歩家の外に出ると、私は教師だ。



彼といる時とは違う、女じゃなく、教師。





ニコニコ笑って、あれをしてこれをして。


生徒のわがままや問題に振り回されながら、そのおかげで、彼を忘れられる、なんて。







じゃんけんで決まった3人の生徒を乗せて、買い出しのために普段は乗らない車に乗って、近くのショッピングモールへ。




騒がしい車内。彼の好きなCDは奥にして。







「先生彼氏いるんだっけ」





「…内緒」




「え、いる反応じゃんか」




「先生の彼氏は俺」




「それは冗談きついなぁ」




「タイプじゃないってよ」









思い浮かんだあの人の顔。




昨日の、優しい笑顔。






私の頭をなでる大きな手。


落ち着く優しく低い声。




あ、会いたい。






今日、ちゃんと帰ってきてくれるかな。


今日は、何作ろうかな。








「あんまり混んでないね」




「平日の昼間だからね」








生徒の一人にそう言って、二手に分かれよっか、と提案。




ショッピングモールの入り口。


誰と回るかなんて言いあう3人を見ていた時、生徒の一人がうわっと声を上げた。








「ん？」





「あの人雰囲気がまずイケメン」





「どれだよ」




「髪ピンクじゃない？」








え？って、思わず反応。





反応をして、後悔をした。










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