episode04.τ Ceti ページ4
雪ちゃんの葬儀に行ってから1週間が経った。
虚しさと悲しみのトンネルから抜けられず、今日も私の1日が終わる。
私の仕事は大手IT会社の受付嬢、今日もつまらない仕事が終わり、自宅に向かって歩いていると後ろから女の子の声がした。
「蘭ちゃん！園子ちゃんも！」
毛利蘭ちゃん、私の従姉妹で小さい頃から仲がいい。
そんな訳で園子ちゃんとも仲が良く、3人でたまに遊びに行くくらいの仲。
「雪弥さんのこと、お父さんから聞いたよ。辛いよね」
蘭ちゃんの言葉に涙が溢れそうだったけれど、年上の私が泣く訳にもいかなくて笑った。
「ポアロでお茶にしようよ」
蘭ちゃんと園子ちゃんに手を引かれ、毛利探偵事務所の下にある喫茶店ポアロに寄る。
毛利探偵事務所に来るのは何年振りかのことで、ポアロに入るのは初めてだった。
優しいコーヒーの匂いと、客の声で店内が明るい。
「いらっしゃいませ」
そう言って厨房から出てきたのは金髪で、碧眼の男性。
忘れもしない、雪ちゃんの葬儀の日に出会った男性だった。
「…雪ちゃんのお友達…」
「今日は元気そうですね」
蘭ちゃんと園子ちゃんが私と彼を交互に見て、知り合い？と聞いてきた。
「うん、ちょっとね」
私が彼にお辞儀をしてから席に案内してもらい、3人で座る。
モカを頼み、早速、蘭ちゃんと園子ちゃんが顔を見合わせ言った。
「来週の土曜日、我が鈴木財閥の所有する飛行船“ベルツリー�宜罅匹糧�行に招待します」
園子ちゃんは続けた。
「実はベルツリー号にあるレディ・スカイをキッド様に盗んでみろっていう挑戦状を次郎吉おじ様が発表したの！Aちゃんも一緒に乗りましょうよ」
「雪弥さんのことで落ち込んでるかもしれないけど、息抜きも必要だよ」
蘭ちゃんと園子ちゃんが私を誘ってくれたことが嬉しい。
きっと2人とも心配している。
そんな2人の思いを無下にできなくて、私は頷いた。
蘭ちゃんと園子ちゃんは嬉しそうにしていると、彼が注文したカフェモカをテーブルに置く。
「ありがとうございます」
私はお礼を言うと、園子ちゃんが彼に話しかけた。
「安室さんも来週の土曜日、是非来てください」
「ええ？僕が？」
「次郎吉おじ様が毛利小五郎が認めた弟子って事で連れて来いって言われてるんです」
安室さん、それが彼の苗字。
結局、彼も飛行船に乗ることになり私達は日時を伝えられ解散した。
タウ・ケーティ/強さと優しさの共存
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←episode03.ζ Sculptoris
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
坂竹会長 - 話の最後に、星言葉が書いてあってみたときとても素晴らしいなぁと思いました。出だしから少し切ない感じがしてそこもまたいいです…!更新頑張ってください。花粉の時期ですしお体にはお気をつけて〜(季節の変わり目ですので) 失礼しました_ーд#_ (2019年3月26日 8時) (
レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 読み始めて涙がでたの初めてでした。とてもおもしろいですね、頑張ってください！ (2019年3月19日 19時) (レス) id: 7430509a03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蟻喰 りあ | 作成日時：2019年3月16日 21時
