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大事な細かいことは気にしないタイプ ページ50

影山の手当てを終えて、目覚めるまでの間は暇な時間だ。
と思ったが、えくぼくんが詳しい説明をしてくれた。

さっき見かけた大柄な男が抱えていた物体。
あれは影山の弟で、律と言うらしい。
真面目で成績優秀で人当たりもよくて顔もいい。おまけに家族思い。
非の打ちどころが無さそうな奴だ。
それでも兄とは違って超能力は使えなかった。
しかし何かをきっかけに超能力を使えるようになったと。
えくぼくんの予想だとそのきっかけは過度なストレスによるものらしい。

が、そこで留まっていればよかった。
弟くんは、自分が超能力を使えるようになったことで調子に乗ってしまった。
自分よりも強い相手に鉢合わせすることを考えなかったんだ。
昔から側にいた、自分の兄すらも軽視して……自業自得としか言いようがないが
連れ去られるのはおかしくないか?


「……あー、めんどくせー!」

頭を軽く掻いて床に寝転がる。
細かいことを考えるのは好きじゃないんだ。
ゴロゴロと他人の家だというのにも関わらず床を転がる俺を見て
えくぼくんはため息をついた。

「お前、もう少し真面目に聞けないのかぁ?」
「昔やんちゃしてた俺が真面目に聞けると思う?」
「知るかそんなの」

俺とえくぼくんがくだらない会話をしていると
影山が目覚めたらしく、花沢が影山の名前を呼んだ。
ふと、外を見ると空が橙色になっている。
……もう夕方か。



「あっ……しまった!」

今日は夕方3時まで食塩が安いんだった。
俺は急いで携帯電話を開いて時間を確認する。
……駄目だ、完全に過ぎてる。

ん?
よく見ると、新しい着信が1件来ていた。
霊幻からだ。
そうか……影山は行けなかったんだよな。
だからって俺を使うのはどうかと思うけど。
まあ本物の霊を相手に食塩撒かれるよりましか。
…………あ、そうだ。
俺は霊幻に電話をかける。


「あ、もしもし霊幻?
 今度でいいから食塩分けてくれない?」

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雨散々(プロフ) - マスヲさん» コメントありがとうございます。私の作品で笑っていただけて何よりです。これからも笑いをとれるように頑張ります(笑) (2017年2月4日 10時) (レス) id: 2f2c9aedea (このIDを非表示/違反報告)
マスヲ(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃ面白かったです!!久々に笑いました(^^)更新頑張ってください! (2017年2月3日 22時) (レス) id: f55d281746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨散々 | 作成日時:2017年1月20日 19時

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