多くの不良が集まる路地裏 ページ49
俺と花沢がえくぼくんに続いて走る。
と言っても、普通の人には俺が先導して走っているようにしか見えないだろうけど。
平日だったせいか、邪魔になるほどの人は居らず、滞りなく足を進めることが出来ていた。
宙に浮いているえくぼくんが今までの状況を説明してくれている。
随分突発的な出来事に慣れてやがる。相当長い間、霊やってたな。
ってそんなことはどうでもいい。
俺は小声で場所はどこだと聞こうとしたが、そんな必要はなかった。
明らかに不自然に、大量に窓が割れている建物があった。
「どうみてもあそこだな」
俺が呟くようにそう言うと、えくぼくんに「急げ」と急かされた。
そんなにやばいのか、一人で無茶しやがって。
……まあ、影山で駄目なら他に頼れる奴は居ないか。
そうこうしているうちに、目的の場所についた。
その路地裏を覗いてみるが、色鮮やかな制服を着た奴らが邪魔で見えない。
「ってか、なにあれ……？」
「他校の不良だよ。味噌中とか麺つゆ中とか……。
少しは聞いたことがあるだろう？」
「学校の名前は知らないけど、絡まれた事なら何度かあるよ」
特にあの赤い制服。
まだまだ青い奴らばっかだったけど。
俺の「絡まれたことがある」という発言に反応して、
大丈夫なのかと不安そうな顔をしていたが、
俺の軽々しい言い方と表情で察したのか驚いたような呆れたような複雑な顔に変わった。
様子が見えないのは困るので不良の集団に近づいてみると
何かを抱えた大柄な人間が壁を蹴ってどこかに去っていった。
あー、俺も昔やったなあ。壁蹴り。
「……って、それより影山だ影山」
思い出に耽るのをやめて前を見ると
今の今まで目の前にいた不良がある場所に集まって騒いでいる。
もしかして、そこに影山が……？
「危なく、ないか？」
「……彼はきっと今、かなり不安定だ。近づくのは危ないだろう」
俺の独り言に答えながら不良たちに近づいて注意を呼びかける。
……ん？ なんだこの感じ。
影山が居ると思われる所から妙な気を感じる。
微かにだがピリピリと肌に刺さるようなこれは、良いものでないことは確かだ。
「ところで、影山どうする？
なんかぼろぼろだし、手当てしたほうがいいけど」
「それなら近くに僕のアパートがある。もう少し様子を見てから運ぼう」
「了解。最低限の手当てなら慣れてるから、任せろ」
大事な細かいことは気にしないタイプ→←１２０分までなら待てるよ
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雨散々(プロフ) - マスヲさん» コメントありがとうございます。私の作品で笑っていただけて何よりです。これからも笑いをとれるように頑張ります(笑) (2017年2月4日 10時) (
レス) id: 2f2c9aedea (このIDを非表示/違反報告)
マスヲ(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃ面白かったです！！久々に笑いました(^^)更新頑張ってください！ (2017年2月3日 22時) (レス) id: f55d281746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨散々 | 作成日時：2017年1月20日 19時
