【モブサイコ100】霊能友達（仮）

常連客の意地 ページ43

その日の収穫はナシ。
紫フード以外の超能力者には出会えなかった。
ちょっと期待してたけど、残念だ。

晩飯の肉じゃがは美味しかったが、えんどう豆を買い忘れた。
まあなくても美味しいものは美味しいので良かった。
物足りない感じはしたけど。


それにしても最近不思議なことばかり起こる。
無くなったと思った服は綺麗になって神社に帰ってくるし
気が付いたらおみくじが完売してるし。
まあ後者は嬉しい事だけれども。
でも一日中神社にいた時は常連客以外、全然来ないんだよな。

神社的には俺ってどんどん外に出るべき？
嫌ではないけどさ、宮司としてどうよそれって。

箒を片手に首を傾げていると
「ししょー！」と遠くから声が聞こえる。
うん、黒酢中の不良君だね。分かるよ。


「ちわす！ 今日は会えましたね！」
「おー。……今日はってなに？」
「俺昼間たまに来るんすけど、師匠最近居ないじゃないっすか」

ぶーぶー、と口を尖らせて不満を訴える不良君。
というかそもそもこいつって何のために来てるんだ？
俺をおだてても茶しか出ないってのに。

「最近は外食してるからな」
「えー……どーりで女の人しか見ない訳だぁ」
「……女？」

慣れた手つきでガチャガチャ型のおみくじを引きながら呟く姿を見て、
あ、こいつ本当に昼間来てるんだなと思う。
俺は「大吉だ！」と嬉しそうにする不良君に近づいて、口を開いた。


「その女ってどんなやつ？」
「へ？ えっとー……。
　一人は黒髪ロングの美人で、
　もう一人は濃い茶色で、後ろにデカい三つ編みしてました。
　これまた美人！ ここって美人集まるんですかねー」

「黒髪ロングと三つ編み茶髪……」
「心当たりあるっすか？」
「ん、後者はね。前者は……幅が広すぎだ」
「へー」




「あ、そうだ師匠！」
「ん？」
「今日こそ喧嘩のヒケツを教えてくださいっ！」
「今日こそって……今日初めて聞かれた気がするんだけど」
「今日初めて言いました！」
「ええー……」

私服の喜び→←俺の勘は結構当たるんだぞ

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