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大人が守るべきもの ページ4

「この人がそれ?」

俺がその人を指さすと花沢は「恐らく」と頷く。
薄茶色のもじゃもじゃな頭に、目が沢山印刷されている長袖のイカした赤いシャツが特徴的だ。
多分花沢がやったんだろう、紐でぐるぐる巻きにされているが、その顔色は悪い。

花沢にどう起こすか質問しようとしたが、
その手には既に、冷たそうな水がたっぷりと入ったバケツが握られていた。
それで察した俺は、もじゃもじゃ上司さんから数歩離れて、
どうぞと右手で花沢を促した。


バシャリと水が顔にかけられ、もじゃもじゃ上司さんは驚きと苦しみで目を覚ます。
しばらくせき込んだ後、俺たちを見て少し怯えた様子で質問を投げかける。
俺らがなんなのか、刀の男はどこに行ったのかと言われても、
刀の男なんて俺たちが知っている訳がない。

花沢は、その言葉を遮るように「こっちの質問が先だ」と上司さんに顔を近づける。

「あんた影山律の情報を爪に売ったのか?」
「爪……? なんだそれは? 影山律…………知らないぞ?
 私が声をかけたのは、影山茂夫君だ!」

「それは僕だ」
「君が!?」

この驚き様を見る限り、嘘をついているわけじゃなさそうだ。
家族関係までは調べなかったんだろう。
まさか弟がいるとは思わず、同じ『影山くん』を誘ったわけか。

「人違いから始まったのに、本当に律を覚醒させちまったな」



俺は「はぁ」とため息を吐く。
それに反応したのか、もじゃもじゃさんは俺を見る。

「あんたさ、いい大人が子供をちゃんと守れないでどうすんの。
 あんだけ大人数で研究しといて、警備ガバガバで……。
 そんなんで情報が少しも漏れないとでも思ってたのかよ」
「そ、それは……」

「……まあいいよ、起こっちまったことだ。深くは指摘しない。
 それより、その子たちがどこに行ったかは知らない?」

俺は、もじゃもじゃさんが巻かれている紐を解きながら尋ねる。
もじゃもじゃさんは「すまない」と謝りながら首を横に振った。

自信満々は鈍感が相手だと勢いを失う。→←爪と機密と精密機械



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雨散々(プロフ) - 椿さん» 大変申し訳ありませんでした。即刻訂正させていただきました。丁寧なご指摘本当にありがとうございます。 (2017年4月9日 11時) (レス) id: eca17ac586 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - コメント失礼します。実在する人物、小説、漫画、アニメなどのキャラクターを使用した作品なので、オリジナルフラグを外してください。違反とみなされ通報される可能性もありますよ。 (2017年4月9日 10時) (レス) id: 70ed70658f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨散々 | 作成日時:2017年4月8日 17時

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