まともな社会を生きてきたやつがみんなまともと思うなよ ページ26
「いい歳していつまでも遊んでんじゃねーよ」
霊幻が呆れるようにそう言うと、眼鏡ヤクザは目を血走らせ霊幻の胸ぐらを掴む。
「貴様に何がわかる⁉︎
社会がなんだ……まともな社会しか見てこなかったやつが偉そうに説教するな！
……俺は生まれてすぐ両親に捨てられた。孤独だった！
家族団欒？ 母の味？ そんなものとは無縁の少年時代だ。
児童養護施設では壮絶ないじめを受け、世界を呪った！
呪わなければ生きていけなかった……！」
霊幻に怒りをぶつけながら言うその言葉には、確かにそいつの本心が現れていた。
軽い吐き気を覚えるほどの恨みと悲しみ。
今までどんな酷い仕打ちを受けてきたかがわかる。
「そして力に目覚めた。この力のおかげで生きてこられたんだ！
その生き方を否定するやつぁ…………！
っ、なんだその目は……俺をそんな目で見るなぁっ！」
霊幻の表情が変わり、それにびびった眼鏡ヤクザは掴んでいた手を離し飛び退く。
今の霊幻の顔を言葉で表現するなら、哀れみと……同情？
「わかるよ……お前の気持ち」
霊幻は顔をそのままで話し出す。
眼鏡ヤクザは自分と同じ体験をしたと勘違いしたのか、驚いたように聞く。
って言うかその顔やめろ霊幻。笑いそう。
「俺も子供の頃……小四くらいだったかな。
親に、その日運動会だってこと伝えてなくて。
俺だけ弁当がなかった」
謎の哀愁を漂わせながら自ら間抜けな過去を晒した霊幻。
眼鏡ヤクザはその話にどう言う意図があるのかわからなかったようで、汗を一筋流す。
確かにその運動会の間では家族団欒も母の味も楽しめないけど違うから。
いや霊幻にそういった話をしろというのも無理だけど。
「そりゃお前が悪いと言うか……いやなんの話？」
「孤独を感じた少年時代の話」
「っ、そんなくだらん話と一緒にするな！」
眼鏡ヤクザは自分の体験が軽視されていたことに怒り、
懐から取り出したおもちゃの拳銃を霊幻に向ける。
圧倒的に的外れな会話で時間を無駄にされたことに怒るべきだと思うんだが。
そいつが言うに、その銃は最大の威力を誇る武器らしい。すげえ簡単に弾かれたけど。
ってかなんでそんな至近距離で銃。
普通の物理的攻撃が効かないと悟ったのか、最大威力の武器をぽいとその辺に捨て
呪いを込めた香水なるものを取り出し霊幻に吹きかけた。
普通ならば眠らせられるらしいが、今の霊幻にはそれも無意味だった。
まあ大人になって中二病発症しちゃったようなもんだよね→←悲報：ガスマスク、ガスマスクじゃなくなる。
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雨散々(プロフ) - 椿さん» 大変申し訳ありませんでした。即刻訂正させていただきました。丁寧なご指摘本当にありがとうございます。 (2017年4月9日 11時) (
レス) id: eca17ac586 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - コメント失礼します。実在する人物、小説、漫画、アニメなどのキャラクターを使用した作品なので、オリジナルフラグを外してください。違反とみなされ通報される可能性もありますよ。 (2017年4月9日 10時) (レス) id: 70ed70658f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨散々 | 作成日時：2017年4月8日 17時
