逃げおおせ ページ23
「……！ すず、き……！」
霊幻が眼鏡ヤクザに背中を斬られた。
だというのに体がピクリとも動かせやしないし、声も掠れたようなもんしか出ない。
鈴木くんに止めるなという念を込めて視線を向けるが、ため息をつかれた。
「よく見ろよ」
「……は、？」
よく見るっつったって、柱とか切っちまうような刀に生身でいたら普通……。
あれ……？
「……本当は、
本当は誰も傷つけたくないんだ」
影山が俯いたままゆっくりと話し始める。
「でも、やらなきゃやられちゃうじゃないか。
……そう思ったから、みんなを守るためには、僕がやらなきゃいけないんだ。
今はそういう時なんだ」
「兄さん……」
「なのに。
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……だから」
「ほっ」
霊幻が、なんともなかったかのように起き上がった。
それに対して、この場のほとんどのやつが驚く。
無論俺も。
安堵の方がでかいけど。
「ば、バカな……！？」
「びっくりさせんなよー。
マジで斬られたと思ったじゃねーか」
ぴんぴんしてる霊幻は、いつもの調子で眼鏡ヤクザに話しかけた。
なんで平気かわかんないけど無事ならいい。
「鈴木く……？」
あ、普通に声出る。
あ、手足もぶらぶらさせられる。
すくっと鈴木くんが立ち上がるのを感じて、ぱっと振り向いた。
「おーい鈴木くん」
「なに？」
霊幻たちのいるところを見たまま返事をされた。
「何が起こったのか分かってんなら、教えてくんない？」
「力が移った」
「あー……わからんけどわかった」
とりあえず、影山の力が霊幻の方に移ってくれたおかげで
あの刀にぶった斬られても生きてたわけか。
まったく、本当に驚かせてくれるぜ。
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雨散々(プロフ) - 椿さん» 大変申し訳ありませんでした。即刻訂正させていただきました。丁寧なご指摘本当にありがとうございます。 (2017年4月9日 11時) (
レス) id: eca17ac586 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - コメント失礼します。実在する人物、小説、漫画、アニメなどのキャラクターを使用した作品なので、オリジナルフラグを外してください。違反とみなされ通報される可能性もありますよ。 (2017年4月9日 10時) (レス) id: 70ed70658f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨散々 | 作成日時：2017年4月8日 17時
