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漫画は年齢を問わず楽しめるもの ページ19

「ほら、いくぞ」

ブツブツと心の中で悪態をついていると、少年が鉄骨の上を悠々と歩いていく。
え、このままで行かれるの困るんすけど。
両腕拘束されたままで太ももから下はぶらんぶらんしてるんだぞ。
身動き取れるわけねえじゃん。

俺が動かないことに気づいた少年は一度振り返って「あ」と声を漏らしたが、
再び前に向き直し歩いていく。
……おい、割と察しのいい俺にはわかるからな。
こいつ絶対「めんどくさいからいいや、自分でなんとかすんだろ」って思っただろ!
動けねえか弱い一般市民を見捨てやがって。
俺もめんどくせえんだよこの位置から立ち上がるの。


「チッ……しょうがねえな」

舌打ちをしてから両足を大きくあげ、そのまま後ろに倒す。
その足を横に傾け、その勢いで体ごと回転し、なんとかうつ伏せになる。
そこからは体の下敷きになっている腕と足を使い、やっとのこと俺は立ち上がることができた。

そこから少年の進む方向に歩いていくと、まだ床が残っている所に到着する。
とは言っても、ところどころ崩れてるから安全な場所とは言い難いが。

「鈴木くん、放置すんなら腕の拘束くらい解いて欲しかったな」

少年の近くにくると、俺はにこやかに告げた。
比較的優しい言い方をしているが、表情で不満を訴えかけているのは充分伝わるだろう。

「わりーわりー、わすれてた。名前あてたし、今とく」
「色々ともう遅いわ」

引っ付いた両腕が解放され「おお」とつい声が漏れる。
鈴木くんは本を読むのかと思っていたが、予想外にもそれを俺に渡してきた。
流れでつい受け取ったが、表紙を見てみると週刊少年誌のようだ。
もう読み飽きたのだろうか。俺こういうのあんまり読まないから要らないんだけど……。
ぺらりと、表紙をめくってみる。




「うーわ……主人公かっこよすぎかよ。……んー、そうくるかー」

漫画を読み始めた俺は、周りの騒音に全く気付かず。
ただそれを読み続けていた。

完全に置いてけぼりな神主→←きのこたけのこ論争、中立派。



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雨散々(プロフ) - 椿さん» 大変申し訳ありませんでした。即刻訂正させていただきました。丁寧なご指摘本当にありがとうございます。 (2017年4月9日 11時) (レス) id: eca17ac586 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - コメント失礼します。実在する人物、小説、漫画、アニメなどのキャラクターを使用した作品なので、オリジナルフラグを外してください。違反とみなされ通報される可能性もありますよ。 (2017年4月9日 10時) (レス) id: 70ed70658f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨散々 | 作成日時:2017年4月8日 17時

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