プライドなんて、…ていうか素直とか。 (ページ31)

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今日の放課後は風紀の仕事が入っているから

少しだけ、家に帰るのがいつもより遅くなる。
よろしく

…っと、

お母さんにLINeを送って
風紀の子と一緒に他愛もない話をしながら
教室や廊下を回る。

そう、仕事というのはまぁ、簡単に言えば
学校の見回り。放課後の校舎の使っていない教室の
窓の戸締まりとかを確認する。電気とかね。

後輩1「いやぁ、体育祭ももうすぐですねぇ、

そういえば、先輩ってジンクスとか
信じてるんですか？」

「……ジンクス？」

ジンクス…私の学校にそのようなものがあったのだろうか。

後輩1「はい、なんでも、リレーで優勝したクラスの人が
友達とハチマキを交換すると願いが叶うそうで、

最近だと恋人同士だったり、
付き合いたいと思っている人に渡したり
とかするらしいですね、」

いやぁ、青春ですよね、私もしたかったなんて、
少しうなだれる彼女。

そっか、付き合いたいと思ってる人に…

「ねぇ、それって、さ、女の子から…とかも
ありだったりする？あと、リレー、
私参加してなくてもその効果ってあるのかな」

…私は何を聞いてるんだ、一体。
そんなこと聞くような人じゃないのに、私。

後輩1「あれ、先輩興味あるんですか？

……女の子からでも大丈夫らしいですよ？
他の学年にもいたらしいですし。

参加していなくても、
リレーでそのクラスが優勝すればいいとか。」

「へぇ、……ありがとう、教えてくれて。」

私がそう言えば後輩は嬉しそうに
笑っていえいえと言う。

そうしてやっと、一年生のフロアについた。

一年生のクラスは中庭に繋がる戸もあるから
確認の手間がかかる。早く帰りたいなとか思いつつ
一組の窓の確認をしようとしたら、

見覚えのある髪色が目にはいる。