私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

37.親 ページ37

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あの後、全員、桜をちらりと見て、談笑しながら帰って行った。


Aの両親に呼ばれて、新八と神楽も気を利かせて帰って行った。


ありがとう、そう言って、頭を下げられて困惑する。

俺は、何も出来なかった。



｢最後まで、あの子のわがままに付き合ってくれて。

あの子と、一緒にいてくれて、ありがとう｣



昔よりも少し皺の増えた2人の言葉に、どう答えればいいか分からなかった。



｢･･･俺からしたら、Aが、俺のわがままに付き合ってくれたようなもんで、

例を言われるようなことは、何も｣



それでも、フルフルを首を横に振って

赤く腫らした瞳を細めた。


ありがとう、そう言った2人は、そっと俺の手に分厚い封筒を渡した。

お葬式は頼んだわ、俺の返事を待たずに、2人はその場を離れた。


どんないい親だよ、と、ため息が出た。


これは、使えねぇな。


そっと懐に入れて、葬式の金について考える。

桜の養育費とか、考えて貯めた分削んねぇと。


あーあ、良い親になんてなれねぇよ？俺。


坂田桜

そう書かれた小さなベッドに眠る我が子を見て微笑んだ。


あいつの分も、これから成長する子供を、一生懸命育てる。



｢あーあ、これじゃパチにも行けねぇな。

ジャンプもそろそろ卒業かなぁ｣



小さな桜をちらりと見てから、俺も、その場を後にした。




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