私の幸せ[銀魂‐坂田銀時]

30.温かい ページ30

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飲み物を買うには遅いな。


少し心配しながら待っていると扉の開く音が聞こえた。



｢遅かっ･･･｣


｢A！見て見て！どんぐりいっぱいあったネ！｣



やっと帰ってきた3人は寒さのせいか

鼻や耳を真っ赤にして、手にはいっぱいのどんぐりやまつぼっくり、


そこら辺にあったんだろう道端の花、四つ葉のクローバー。


私が外に出られないから？


布団の上にバラバラと置かれたそれらは

私には暖かすぎる贈り物。


泣き出す私に、笑顔で私を見守る3人。



｢ありがとう｣



私の言葉を聞いて、銀時がそっと

頭を撫でてくれた。


小さな贈り物だ。


冬が近づいて、花はそう多くない。

そんな季節に合わせた素敵な贈り物。



｢赤ちゃんも喜んでるアルか？｣


｢うん、すっごく｣



神楽ちゃんの純粋な質問に笑いながら

私は一つ一つ、それらの贈り物を手に取った。


それから、3人の頬に触れて

その冷たさにまた涙が出た。


最近じゃずっと冷たいままの私の手より冷たい。



｢こんなに冷えて･･･ストーブの前で温まって｣



少し離れた場所に置かれたストーブを指させば

3人ともすぐに従ってストーブの前で温まる。



｢いやぁ、いいなぁ、夏も冬も無料で涼めて暖まれるのか。

近くに病人がいるってのも、悪くねぇかもしれねぇな｣


｢銀さん！不謹慎ですよ！｣


｢･･･もうこのまま一生よ、ここで過ごしちゃってくれよ｣



そしたらエアコンなんてハイテクなもん要らねぇだろ？

ガハガハと笑う銀時の言葉に怒る新八くんと神楽ちゃん。


視界が揺れる私。


その言葉の裏にある、生きて欲しいという意味に

私はこれ以上ないくらいに胸を締め付けられた。





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