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20、チョップ ページ20






土方さん・・・。


やっと、口に出した。

遅いんだよ。



「こんな所で刀振り回してる俺にゃ無理だが・・・

どっかで普通の野郎と所帯もって、普通にガキ産んで、

普通に生きてほしいだけだ。ただ、そんだけだ」


「残念だけど、あんたが手に入れた姉さんは

きっとあんたにゃ利用しやすいモノだったかもしれないけど、

沖田ミツバの周りはそんなに聞き分け良くねぇよ。


あんたは、私達の怒りに触れた。深く、深くね」



ふんっと、鼻で笑ったそいつを、今すぐ斬り倒したかったけれど

私は土方さんの背中を押した。



「なっ・・・」


「ここは任せて行ってください。

ミツバ姉さんの元に向かいました、これ以上、私を怒らせないで」



土方さんは何も言わずに走っていった。


私はまた湧く敵に刀を振り回す。


感覚とともに痛覚も鈍る。

これならいける。


多少無理なやり方でも、今私がここで死ぬ訳には行かない。


その一心で斬り続けた。

やっと、敵は止んだ。


ボロボロだ、血だらけだ。


そんなことを考えながら

もう走れない足を一生懸命動かした。


直後、総悟らしき人物が見えて

蔵場が乗っていたんだろう車が真っ二つ。



「は、どんな怪力だよ」



強すぎだろ、

いや、強いのは、総悟の怒りか。


蔵場は死んだだろう、それを確信した途端

異常なほどの睡魔に襲われた。


いや、これは気絶、しそう。



「おい、大丈夫か」



そんなところをギリギリで支えてくれた銀髪。


その言葉に笑いを零した。



「大丈夫、そうに、見えます、かね」


「見えねぇな、こりゃひでぇ、

俺が今ここに放置したら死ぬぞ」


「わかってんなら絶対やめてください」



あぁ、眠たい。


寝たら、死んじゃったりして。

いやでもこれは、逆らえないやつ。



「ごめ、旦那、めっちゃ、ねむ・・・」


「おいおい、やめろよ、俺の腕ん中で死ぬの」


「死ぬって、決めつけんな」


「旦那、Aは?!」



総悟の声。

仲間の声、いっぱい、声が聞こえる。



「て、めぇら、っるっせぇ。

総悟、土方さんと、早く病院行って。

あんた、いないと、姉さん、どこにも、行、けない」


「てめぇこんな状態で・・・そんなこと」


「ばかやろ、姉さ、死ぬぞ。

後悔する、って言ったばっか」



でも、という総悟に、チョップをした。


旦那に持ち上げられて、総悟は何か言った旦那の言葉に頷いて

走っていった。


私はそれにまた安心して眠った。




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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー! (2021年2月9日 7時) (レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです!忙しいと思いますが、作者様頑張ってください! (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年1月30日 23時

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