17、私達には ページ17
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土方さんはいつの間にか居なくなってた。
きっと、取引の偵察だ。
私も準備しようと隊服に着替えた。
腰に剣をかけて、真選組の私の出来上がり。
うん、今日も私だ、と姿見を見た。
｢Aさん！！沖田隊長のお姉さんが！｣
それは、ミツバ姉さんの容態が急変した知らせだった。
土方さんが敵陣に乗り込んでいったら
確実に待機所に私が行く必要がなくなる。
取引の前に、行かないといけない。
「…少しだけ」
次に会った時、ミツバ姉さんが死んでるなんて、嫌だから。
それなら、痩せて寝込んだ姉さんを見た方がきっとましだから。
走って病院に向かえば姉さんは集中治療室にいた。
部屋の前には近藤さんと総悟、旦那。
ちゃんと、姉さんのそばにいてくれたんだ。
寝てるけど。
「遅かったじゃねぇか…。お前、今日非番じゃ」
「夜は見回りが入ってるの」
「あいつはそんなことしねぇだろ」
「それがされたんだよね。寝すぎた罰かな」
窓越しに姉さんを見ながら会話をする。
近藤さんが不思議そうに顔をゆがめ、口を開いたのが見えた。
「ってことで、私行くね」
きっと、土方さんに聞いてるんだ。
私を1日非番にしたこと。
言わせてはいけない。
｢は？･･･こんな時に仕事とは熱心なことで。
…いいじゃねぇかィ、サボって、姉上のそばにいてくれたって。
あんな薄情なやつより、お前がいてくれた方が安心でィ」
「そんなこと言わないの。
今日の見回りは少し危険地帯なの。行かないと。
何かあってからじゃ後悔しちゃう」
「姉上に何かあってもいいってことかィ」
「な、そんなこと言ってない！」
「結局おめぇも一緒だ、土方の野郎もお前も、俺のことも、姉上のこともどうでもいいんでィ」
「…は？そんなこと言ってない。
大事だよ！ミツバさんが死ぬかもしれないなんて考えたくもない！
…総悟、大切な人が死んだら、必ず後悔する。
私、今此処で総悟と喧嘩したくない。
あんたのことも、ミツバ姉さんのことも大切で大好きだよ。
だから、待ってて。
姉さんのそばで、私と、あの薄情もののこと」
「なんでィ、まるで今から死ににいくみたいないい方して」
「…私達だって、いつ死ぬか分からないよ。
私が今日、死ぬかもしれない、姉さんは今日、死なないかもしれない」
私達には何にもわかんないよ。
そう言って、後ろを向いた。
寝ているらしい旦那を横目で見て、その場を離れた。
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あい(プロフ) - eight40094さん» コメントありがとうございます！すっごく嬉しいです！これからもよろしくお願いしますー！ (2021年2月9日 7時) (
レス) id: 7ef5ab0f96 (このIDを非表示/違反報告)
eight40094(プロフ) - あぁ、早く続きが見たいです！忙しいと思いますが、作者様頑張ってください！ (2021年2月9日 3時) (レス) id: c00f201ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年1月30日 23時
