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荒い呼吸の音が部屋に響く。

こうも自分の理性がきかなかったことは無かっただろう。


断っても折れないそいつに、折れちまったのは俺。


私を誰だと思ったっていいから、叫ばないよう抑えた、震えた声。

それを言われて



「A・・・」



それでもなおそいつの名前を呼ぶ俺は

ようやく今の自分の恋愛感情が誰に向いていたのか気づく。


俺に組み敷かれて声を抑えるその姿も

震える足も、俺に必死にしがみつくその手も

今は全部俺のものだと考えると、妙に独占欲が満たされた。


誰に抱かれた体だろうと、今俺に抱かれたいと願ったのは本人だ。


それがどれだけ、愛を持たない行為だとしたって。



事後、眠るそいつの額を撫でた。


いつもは氷のように冷たい肌も今はどことなく暖かい。

額に滲んだ汗が、体温が、こいつは生きているとわからせる。


同じ布団の潜り、露出した肌を覆うように丸まって眠るそいつが

小さくて、今にも、元々入っていたヒビからお前が壊れちまいそうで。



一体どんな思いをしてきた?


どんな気持ちで男に抱かれ、どんな気持ちで同じ境遇のヤツらの面倒を見てきた?

お前はどんな気持ちで、俺に抱かれた?


土方さん、そう言われただけでなんでも良くなるほどにお前を欲していた俺を

お前はどう思いながら呼んだ?


別に、他の女をだいたことないわけじゃない。

一夜だけを誰かとかわすことをしたことが無いわけじゃない。


ただ、こんなにも相手を欲したのは初めてで。

こんなにも相手の気持ちを心配しながら抱いたのは初めてで。



脳裏に浮かぶ、ニヤリと笑うあの男。


お前のその顔も、涙も感じる体も

アイツのせいだって?


違う。そうじゃねぇ。


そうじゃねぇと、思いてぇんだ。






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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします! (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん!あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています!真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか?よかったら教えて欲しいです!!いつも楽しみにしています!! (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年10月19日 21時

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