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｢A･･･？｣
俺が名前を呼ぶ前に、誰かがそいつの名前を呼んだ。
そいつを見ていた俺は、そいつが見ている人物を目を移す。
見るからに高そうな着物に、付き人。
金持ちか、お偉いさんか。
｢･･･店主さんも店も急に消えたから驚いたけど･･･
A、こんな所にいたのか｣
その男はニタリと笑い、そいつに近寄ってくる。
動けなくなり、顔色の悪いそいつの腕を、俺は咄嗟に引いた。
｢･･･こちらは？｣
誰も何も言わない。
背中に隠したそいつの震えた手が、何に脅えているのかさえ分からない。
誰だよ、この男。
Aが返事をしないことが気に入らなかったのか
その男は少し強めに、Aを睨みつけるようにしてもう一度名前を呼んだ。
｢え、と、その、真選組の方です。
あの店がなくなってから、保護、してもらって｣
｢名前を聞いてるのが分からないかな？｣
｢土方十四郎だ。こいつに聞く前に本人に聞く方が早いんじゃねぇか？｣
｢･･･そうかい、土方十四郎、鬼の副長。
こりゃまたいい男に買ってもらったねぇ、いいご身分だ。
それで？土方くん、いくらで譲って貰えるかな？｣
は？低い声でそういうつもりが、声すら出なかった。
なるほど、あの店の客か。
そう気づくのに時間は必要なかったが。
店すらなくなり、真選組に保護されたこいつが
俺に買われた商品で、金さえ払えば譲ってもらえると思っているこいつの頭の悪さに絶句した。
｢こいつぁ商品じゃねぇよ｣
｢それは困るねぇ。Aの全ては俺が準備した。
全部俺好みに、絶望と希望を与え続けて、そいつは俺のものになった。
それなのに、今更何を言っているのか。さっさと返してくれないか｣
｢はっ、頭沸いてんのかよ。
こいつぁ重要被保護者だ。譲る譲らねぇの話じゃねぇんだよ。
国から保護の命令が出された人間｣
こういえば分かるだろう。
もうこいつは商品じゃなく、お前がどうこうできる相手じゃないと。
｢･･･なんだいそれじゃあお兄さんあんたこいつを抱いてないのかい？
そうかいそうかい、そりゃ勿体ないねぇ。｣
その言葉に、虫酸が走った。
腹が立って、殴りかかりそうになったのに
Aが俺の腕を掴んで震えているから
そいつをこれ以上怖がらせたくなかったから、離れられなかったから
拳を握って我慢した。
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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします！ (2022年5月7日 23時) (
レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん！あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています！真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか？よかったら教えて欲しいです！！いつも楽しみにしています！！ (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年10月19日 21時
