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呉服屋に着けば、さっきの娘はこっちに気づいて嬉しそうに紙袋を持ってくる。
そろそろ夕日も沈む。
閉店の準備でもしてるんだろうに、嫌な顔をせずにこっちに向かう。
そういう、場を壊すくらいの明るさが今の俺たちに必要だった。
紙袋を貰い、行き場を失っていた左手で持つ。
傾いた夕日を見て、ふとミツバを思い出した。
あいつの明るさは店の娘と違って、太陽と言うより夕日のようだった。
少し遠いところで見守ってくれる優しさだった。
笑顔も全部、きちんと覚えていて
あれは確かに初恋だったのに、隣を歩くそいつとは確かに違うのに
どうしてこんなにも惹かれるのか。
不思議な雰囲気は確かに似てる、だが違う。
タイプでも変わったか？
タイプも何も、俺ァこいつの本当の性格なんか未だにわかっちゃいねぇのに。
はぁ、タバコの煙と同時にため息が出た。
振り回されている、本人に自覚はないだろうが、俺は確実に振り回されている。
世帯を持つつもりも、嫁をとるつもりもねぇ。
それはずっと、俺があの夕日のような存在と叶えてみたかった夢で
でも絶対に、叶えてなんかやらねぇと叶えられなかった夢で。
だから、やっぱり俺はこいつを俺のものには出来なくて、しなくて。
あぁだから嫌だ。
離れねぇと。
離れねぇと止まらなくなる。
あいつの時と同じように。
離れれば、求めないから。
｢･･･仕事大変？｣
｢あ？｣
｢暗い顔してるから。お仕事の考え事かなって｣
そいつは少し俯いたまま、そう俺に聞く。
｢･･･そんなとこだ｣
｢土方さんは沖田くん達を束ねてるんだもんね｣
そりゃ大変かと納得したように笑い頷くそいつ。
脳天気なもんだよ。
｢今日、楽しかったか｣
｢うん、楽しかった。土方さ･･･｣
何を言おうとしたのか、俺にも同じ質問をしようとしたのか。
同意を求めたのか。定かではない。
俯いていた顔を上げ、俺を見ようと、俺を名前を呼ぼうとしたそいつは
俺を見ることなく、前を見て、ある一点を見て、かたまった。
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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします！ (2022年5月7日 23時) (
レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん！あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています！真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか？よかったら教えて欲しいです！！いつも楽しみにしています！！ (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あい | 作成日時：2021年10月19日 21時
