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21. ページ21






あれから暫く。


何日経ったかは数えていないが。

国から支給された金が手に入り、俺の休み。

起きてすぐ、隣で眠るそいつを見て、少し頬が緩んだことに気づく。


あの日から、そいつと手を繋いで寝ることが多くなった。


俺の都合がつかない日以外は、そいつが俺の手を握る。

カッターは未だに手放せていないが

隈は少し薄くなった気がする。



「・・・A」



そいつの名前を呼ぶのもそろそろ慣れてきて

朝も、昼も夜も、一緒に飯を食って

もちろん、ほかの隊士ともコミュニケーションをとるようになっていた。



「・・・起きろ、ほら」



寝れなかった日がうそのように

よく寝れるようになっていた。


今では目を擦り、ボヤけためで俺を見るほどに。



「早めに出ねぇと混むぞ」


「あ、そっか、今日・・・」



そう言って、また瞼が落ちそうになるそいつに思わず笑う。


そんなに眠てぇか?笑いながらそう聞くと

起きている時は笑うなと怒るだろうが、寝ぼけている今は静かにこくりと頷かれる。


そんな姿も面白く、愛おしく

俺は立ち上がってそいつを持ち上げ立たせた。



「おら、起きろ」


「そんな、無理やり・・・うぅ・・・」


「早くしねぇと置いてくぞ」



それはだめだと呟きながら俺の胸に頭を押し付けてくる。


今までで1番寝起きが悪い。



「・・・起きれねぇか?」



それならもう少し寝かせてもいいかと

もうちょっと横になってろ、そう声をかけようとしたが

そいつは嫌だと首を振る。


買い物には絶対に行きたいらしい。



「今、頑張って起きようと・・・」


「はいはい」



よっこいしょ、軽いそいつを抱き上げるのは何度目か。

そいつも抵抗すらしないから、互いに羞恥もくそもねぇが。


タンスを開け、上段を覗く。



「ほら、選べ」



こちらも国から支給された普通の着物が3着ほど。

オシャレも何もあったもんじゃねぇがこれしかないのだから仕方ない。


今日それも買うんだろうと考えながら

そいつの肩を叩いて着物を選ばせる。



「んん、こぇ」


「ほら、着替えろ、俺も着替えてくっから」



着物を取ってやり、そいつを下ろし、その場に置く。


ちゃんと着替えろよ、そう言って俺もいつもの着物を持ちいつも通り部屋を出る。







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あい(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます、また返信遅れて申し訳ありません。ずっとスランプ状態で更新しておりませんが、必ずきちんと更新させて頂きたいと思っておりますので、もし待っていただけるのなら今後ともよろしくお願いします! (2022年5月7日 23時) (レス) id: ac72e0904e (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - あいさん!あいさんの作品いつも楽しみに読ませていただいています!真選組の女とこの作品はもう更新予定ありませんでしょうか?よかったら教えて欲しいです!!いつも楽しみにしています!! (2022年4月8日 23時) (レス) id: 7cd419164a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2021年10月19日 21時

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