3.直毛 ページ3
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桂は留守番を訂正し
遅くなる前に帰ってくること、と約束をさせた。
Aはまたニコニコとそれに頷き
家から出ていく桂を見送る。
家、と言っても小さなアパート、バレにくい場所にもってこいの場所なので
お隣さんも、階下にも、このアパートにはほとんど誰もいない。
だからこそ、ペットは飼っていいし暴れていいし
駅から遠かったり、少し虫が出たりはするが、それなりに快適なのだ。
よし、と着物の腕を捲ったAは2人分の食器洗いをする。
Aも不器用ながら女であり家事はできるだけするようにしているのだ。
洗い物に手を濡らしながら
何時頃に万事屋に行こうか、何をするのか、と頭で今日の予定を立てていく。
遅くなってダメなら8時頃帰ればいいか。
桂は夜中に帰ってくるわけだから、少し遅くなっても問題は無いだろう。
と、遅くなる前に帰る約束を少しでも引き延ばせるように試行錯誤する。
濡れた手を拭き、鏡の前に座る。
元々可愛らしい顔であるから、化粧はいつも濃くない。
今日も薄く化粧をしていき自分を着飾る。
別に、昔の仲間に会いに行くだけであり
おめかしをして出かけるような場所でもない。
あの白髪、最近仕事あんのかなー?など考えながら
グシャリとおろされていた黒髪にクシを透す。
あっという間に黒髪はサラサラなストレートロングヘアへと変わり
指を通せばいつものサラサラな髪だ。
この直毛は、銀時がいつも妬ましく見てくるもので
Aの自慢でもある。
桂と子を成せばすごい直毛が産まれてくるだろうとよく想像する。
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RIO - 続きが読みたいです!!! (2022年3月14日 2時) (レス) @page21 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2021年9月1日 0時