［歌い手］推しは兄でした。

23 （名前）の日常１ ページ24

梅雨の開けた、７月２５日。うちの学校は、一学期終業式がある。
校舎の中は、個人差があるもののみんな浮かれていた。
「おはよう！元気無いね！」
「この後だいぶやなことがあるから。テンションだだ下がりなだけ」
そー、私が言えば、
「そっか！！じゃあさ、夏休み中遊びに行かない？女子だけのお泊り会しようよ！」
あー、面倒い。因みに私、Aは普段少し声のトーンを上げ、綺麗目のアルトです。CTORの時は地で、透明なテナーとよく言われます。
「ごめん！行けるかわかんないしドタキャンは悪いからパスで」
「あ、そうなんだ！分かった。予定決まったら連絡するし、もしこれそうだったら来てね！」
「はーい、ありがとう」
曖昧にして置く。なぜなら今日の用事とは定期検診。悪かった場合 は、即入院。
また、朝からテンションが地を這っているのは１.検査にお兄が来てくれないから。
２.担当看護師も坂田さんじゃないから。
３.最近ちょっと体調悪くて、検査引っかかりそうだけど、その事をお兄に言って無いから。
４.病院だと踊ってみた撮れないから。
です。

そうそう、なんだかんだで全くクラスメイトと関わらない私。でも割と友達います。なんか話しやすいそうです。まあ、そう言うキャラ作ってるんだけど。

「起立、気を付け、ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」

ホームルームが終わると同時に教室を出、葵を迎えに行く。今日はATRが撮影なので、葵が付き添い。
「葵ー」
「おっきたきた。最近体調悪いけど、彼方兄さんにまだ言えてない人！」
「えっ？私言ったっけ？」
「いいや、なんとなくそんな気がしただけ」
「はあ、葵は野性動物かよ」

「着いちゃった」
「なんか、久しぶりだ。いい事だけど」

「すみません！3571で予約している『一ノ瀬Aですが」
「あっ、一ノ瀬A様ですね。はい、116号室でお待ち下さい」

部屋に着き、病院服に着替えた。
検査の準備が出来るまで、待機。
「この、時間が一番、辛い」
「そっか。大丈夫。彼方兄さんより頼りないけど、私がいるから」
「うん、ありがと。葵がいると安心する。大好き！」

・・・

葵は何も言わない。それどころか、下を向いたっきり目も合わせてくれ無い。
やっぱり、私なんかに好かれたく無いのかな？
迷惑だったかな？

「あの、ごめんっ！？」
そう思い謝ろうとした時、
「何？デレ期なの？何でこんなに可愛いの？天使？」
と、訳の分からないことを言った葵が飛びついて来た。

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