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この後同じコートで第四試合の男子決勝があるのでそれまで待機しておく。
「男子決勝はどことどこなの?」
「矢作中と久保中」
どうやら、石川くんのいる矢作中と久方中が初戦で負けた久保中の対決になるらしい。
選手がアリーナに入ってきて軽くアップを始めた。
(あ、石川くんだ……)
コートには、憧れの背中があり少し興奮する。
アップ時間が終わり、エンドラインに選手が並んで一礼をした。
アリーナ内にホイッスルが勢いよく鳴り響く。
試合開始の合図だ。
最初は久保中のサーブから始まった。
久保中のサーブは、昨日見たよりも精度が高い上威力も増しているように思える。
なかなかサーブを断ち切ることができず、既に3-0で久保中がリードしている。
「久保中、調子良さそうだね」
「ああ。まぁ矢作もそうだが、準決勝で二セット、10点近い差をつけて勝ってる」
次のラリーは矢作中が制しローテーションが回る。
サーブは石川くんで、エンドラインギリギリに打った。
相手のリベロがカバーするも、Dパスとなって崩れてしまい、ただ返すだけになる。
矢作のチャンスボールは、順調にセッターに渡る。
セッターの上げたトスは、石川くんへのトスと思いきや、対角のウィングスパイカーへのトスだった。
ノーブロックで久保中側のコートにボールが強く叩きつけられた。
「…………やっぱりすごい」
前見た時にも思ったことだが、あのセッターの技術力は凄い。
ギリギリまで石川くんにトスが行くものだと思わせていた。
「誰のこと?」
「矢作中のセッターだよ!今のすごくない?」
「中根か。あいつも県代表だし、かなり上手いやつだよな」
「へぇ!県代表なんだ」
次の石川くんのサーブはアウトになり、ローテーションが回る。
久保中のリードを破れないまま、第一セットは、久保中が25点、矢作中が21点で終わった。
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中根 聡太
愛知県岡崎市出身
石川の幼馴染
ポジションはセッター
のちの星城高校キセキの世代メンバー
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作者名:綴 | 作成日時:2023年10月28日 23時