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#Qualifying Day2 ページ9

―――平成22年8月10日
またもやわたしたちは三重県営サンアリーナに来ていた。

昨日、初戦敗退となった太一は帰りの車で一言も話さなかったのに今日になるとすっかり元気になって朝っぱらからうちの家のチャイムを鳴らし、三重に行くぞ!と張り切っていた。
何があってそんな元気なのは、よくわからなかったけど、嬉しくなってうん!と頷いた。

今日は大会二日目で準決勝と決勝が行われる。

太一のお母さんが車を用意していて、朝起きたらいきなり三重に行くとか呆れるよね、と笑っていた。

「…やっぱさ、思ったんだ。俺もっと強くなりたいって」
「うん」
「だから今日残ってるような強いチームの試合見て足りないとことか見つけて、」

「――――強くなりたい」

太一なら強くなれるよ。聞こえるか絶妙な大きさで言った言葉は、彼の耳に届いたかどうかは分からない。

高速を抜けてしばらく走ると昨日も行った公園が見えてきた。
車から降りて、駐車場から離れたところにあるアリーナに向かう。
試合開始まであと10分ほどあるらしく、アリーナの掲示板に貼ってあったトーナメント表を見ておく。
ベスト4として出揃ったのは、男子は久保中、岡崎東海中、竜海中、矢作中のようだ。

第一試合から第四試合まであるらしく、第一、ニ試合が男女の準決勝で第三試合が女子決勝で第四試合が男子決勝のようだ。

(女子の試合も見れるのか……)
女子の試合は見たことがないので俄然と興味が湧く。試合には出てみたいな、とは思うが実感のない感覚なのだ。

サブアリーナには二つコートがあり、昨日行ったメインアリーナとは別だ。

「わたし女子の試合見てくる。決勝は一緒に見ようよ」
「おう、じゃあ後でここに集合な」

女子の試合が行われる側の座席に座る。座席の前の方では両チームの応援する人でいっぱいだ。

第一試合の久居中と矢作北中の試合と、第二試合の豊橋南部中と殿町中の試合を見た。

どちらの試合も面白く、食い入って見ていた。

女子選手の特徴とかどのサーブを打つ人が多いとか分析しながら見るのは案外楽しいものだった。


第三試合が始まる前に先程指定した場所で太一と合流し、女子決勝を観戦する。

座席はたくさんの人で埋まっていた。
決勝なので応援しているチームでなくとも見に来ているのだろう。

今のはこうだ、とか誰かと意見を言い合いながら試合を見るのは楽しかった。
女子は久居中が優勝した。

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作者名: | 作成日時:2023年10月28日 23時

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