#Let’s get the ball rolling ページ5
「ってことでわたしバレーやる」
「いやどういうことだよ!?」
岡崎から電車で帰って、太一の家に寄った。
「すごい選手がいたじゃん!ほら矢作中のキャプテンのめっちゃ強い人!」
「あー石川ね」
はーんと冷やかすように見つめてきた。
「何よ」
「いや意外だなぁと思って」
「なにが意外なの?」
「だってアイツ、女子人気高いじゃん。Aがそんなミーハーみたいなこと」
そういえば試合のとき、たくさんの女の子が応援していた気がする。
「何にせよ、わたしはバレーする!そして太一に教わる!」
「俺が教えるのかよ」
「太一以外誰がいるのさ」
「というかおまえ受験は?」
「へ?まあ大丈夫でしょ」
その自信はどこから来るんだとジト目で言われた。
「まあいいけどさ。でも俺は俺で、練習とか試合とかJOCあるから、あんま教えられんかもよ」
「JOCてなに?」
「平たく言えば県代表のことだな」
「え!?太一って県代表なの?」
「そーだよ、前言ったろ」
「ああJOCに選ばれた!ってよくわからなかったからスルーしてたわ」
「スルーするなよ!」
「ごめんって」
「んで俺、都道府県対抗大会でベストリベロ賞とってやる!」
「太一ならできるよ!」
「あったりめぇだろ!てか、Aはそんな目標とかないのかよ」
県代表になりたいとか、ベストリベロ賞とか。と指折りしながら太一は数えていた。
「うーん、わたしは目標とかじゃなくて、ただバレーしたいな!て思う」
「そっか。てかポジションはどこがいいの?」
「まだ決まってないなぁ」
何がいいんだろ、と唸っていると、太一にわたしの情熱が伝わったのか、「まあそんなにやりたいなら、紹介してやるよと言った。
「え?誰を?」
「監督に決まってんだろ」
________
「その前にバレーのルールとか覚えてこいよ」
「へへーんそれが実は覚えてるんだな」
「はぁ?いつ覚えたんだ?」
「試合前に図書館でバレーの本読んだ」
「……おまえそういうとこあるよな」
「???」
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作者名:綴 | 作成日時:2023年10月28日 23時