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Ishikawa side
最終日の夜。

準優勝という成績で終わり、大会後のお疲れ会を行うということで、もう一日施設に泊まる。

反省会をした後に、豪勢な夕食を施設の人に振る舞われ、監督たちから労いの言葉をかけられながら食え食えと言われたのでたくさん食べた。


部屋では既に、他の部屋の奴も集まって皆で円になってトランプをしていた。

(いや修学旅行かよ…)

と内心ツッコむも、楽しそうだなーと思う。

いつのまにか俗にいう恋バナとやらに変わっていて、彼女いるやつの自慢話などを聞かされていた。

そこで山崎が食い気味に質問してくる。

「学校に可愛い奴いる?」

「いる」

食い気味で佐藤が答えた。

「お、誰だ?」

あまり興味は湧かない上に、聞いても誰か分からないだろと思うが……。

「久方三大美人ってのがあってな」

久方三大美人……。

そういえば、Aさんも久方中だったよな。

かなりの美人だから、もしかするとその内の1人かもしれない、なんて無意識に考えていた。

(なんか、恥ず……俺)

「えなにそれ初めて聞いた」

川口がそう呟くと「なんでだよ、お前ら一緒の学校だろ」とツッコまれていた。

「その一人がな、すげぇかわいい」

「おおっ!?」

「だがな、そいつ……」

「おおっ!?」

「太一の彼女なんだ」

「おおおおおおっ!!!!」

「いや違うから!!!俺彼女いない!てか誰のこと!?」

「Aさん」

ドキン、と胸が鳴る。

「いやアイツとは違うから」

川口はすぐさまそう否定した。

隣の聡太がコツン、と肘で突いてきた。

(おまえの言ってたAさんのことだろ…?よかったな、彼女じゃないらしいぜ)

とでも言いたげな表情である。

(違うから……!)

と睨んで返した。

そこで部屋がノックされる。

「おーい、お土産買いに行く奴いる〜?」
とコーチが顔を出した。

「あ、俺行きます」「俺も」
手を挙げたのは、川口と俺だけだった。

「オレが案内してやるよ、行こうぜ」
とノリノリなコーチに着いて行った。

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作者名: | 作成日時:2023年10月28日 23時

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