美人さんと面白い奴同盟1_hitn ページ1
ある日の六本木を歩いていたら急に目の前にものが落ちてきた。
前を歩いている黒金三つ編みのおねーさんのものかな、と思っておねーさんの服の袖を軽く引っ張って声をかける。
「おねーさん、これ落としましたよ」
するとおねーさんとその横で、一緒にあるいてた眼鏡のおにーさんが固まった。
どうしたんだろう。
あ、落としたことに気付かなかったのかな。
はい、と落し物を渡せば、眼鏡のおにーさんがハッとなって受け取った。まだ三つ編みのおねーさんは固まってる。
あれ?おにーさんが受け取るの?
カップルとかなのかな?
「…ありがと」
「?」
どこか煮え切らないような表情の眼鏡のおにーさん。
そしてここでようやく、おねーさんが解凍。
おねーさんは綺麗にニコッと笑うと、茶目っ気たっぷりに言い放った。
「俺男だけど♡」
一瞬思考が停止した。
間違いなくおねーさんから発された声は、かっこいい男の人の声だった。
「!!!えーすっごい美人さんー!ですね!眼鏡のおにーさんとカップルなのかと思っていました…!ごめんなさい、間違えちゃって!」
「ふ、はは!!俺らカップルだってさ竜胆!」
おねーさん、ではなくおにーさんが笑いながら眼鏡のおにーさんに投げかける。
間違えて悪いとは思ってるけど、おねーさんに見えるおにーさんも悪いと思う!(?)
「いや、その、ごめんなさい!でもおにーさん三つ編みしてるから」
とちょっと言い訳時見た事を言えば、眼鏡のおにーさんが呆れたように呟く。
「体つきとか見たら男だってわかんだろ…」
「そ、そんなジロジロ見ない!」
ただ落し物を渡すだけでそんな人を観察しないよ!
「てか兄ちゃんが彼女とか無理。」
「ありゃ、スパッと綺麗に振られましたねおにーさん」
「釣れないこと言うなよ竜胆〜」と眼鏡のおにーさんのほっぺをつつくおにーさんと「はぁ…」と溜息をつきながらもされるがままの眼鏡のおにーさん。
そんなおにーさんたちを見て自然と笑みがこぼれる。
「あはは、おにーさんたち面白いですね!」
「そう?俺ら割と怖がられるタイプなんだけど」
「えー!?全然怖くないのに…!」
むしろとっても面白い人達でお友達になりたいくらいなのに!
まあでも美人さんの真顔は怖いとか言うしな、みんなそんな感じで怖がってるのかも。
(それは俺らが喧嘩してるの知らねぇからだろ。あと今兄ちゃんの機嫌がいいから)
「おにーさんたちが美人さんだからかな?」
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作者名:雨兎 | 作成日時:2022年9月29日 3時