乃木双葉は勇者であるｰｰ鷲尾須美の章･弐ｰｰ (ページ37)

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Another Memories… ページ37

4人の幼い勇者達の戦いが終わりを告げた

園子は計■■回、私は計■回

"満開"と"散華"を繰り返し、身体の機能は勿論多くの物を失った

しかしあの激戦の中、記憶を失われずに済んだのは不幸中の幸いと言うべきなのだろう…

私達元(･)勇者は羽波病院と言う場所に搬送され、一時的入院を余儀なくされた

只1人、園子を除いて…

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■■side

目が覚めた時には、誰も側に居らず薄暗い部屋に1人きりだった

…ここは？

現状確認の為、寝たまま部屋を見渡すと病院の一室だと気付く

ふと、右手首に結ばれている青い布地に白く細い線の入ったリボンを見詰めた

私は…

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園子side

病院に行かずそのまま大赦本部に連れてこられた私は、棺を感じさせる白い長方形の箱に入れられ、神輿のように大赦の人達に担がれていた

"満開"と"散華"を繰り返し、神樹様に沢山の供物(身体の機能)を捧げた事により、その日から最も神樹様に近い存在として崇められるようになってしまったのだ

2人共(お姉ちゃん、わっしー)、私より軽度で良かった

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園子より軽症で済んでしまった私は、薄明かりに照らされた病室のベッドに蹲り、鏡に映し出された自分の姿をぼんやりと眺めていた

"散華"で失われた右目を隠すようにして覆われた眼帯の紐を恐る恐る耳から外し、鏡の前まで歩みを進める

ゴクリと唾を飲み覚悟を決め、機能が失われていない左目を自らの手で覆い隠し、右目だけが見える状態にした

しかし、案の定視界には何も映されない

双葉『うっ…、園子…』

園子があんな風になってしまったと言うのに、何で私はのうのうと生きているの…！

こんな事ならいっそ、死んでしまえば良かった…

死ねない身体になってまで生きる意味はどこにあるのだろう

【大橋の事故による行方不明者は4名。重軽傷者は多数。現在も捜索が行われております。尚、大赦発表に寄りますとこれ以上の被害拡大はないとの事です】

力なくずるずると経たり混み唇を噛み締めて声を押し殺していると、"大橋の事故"と"大赦"と言う単語に反応してテレビ画面に目を向けた

【沿岸工業地帯で発生しました火災は、科学薬品への引火に寄る物だと分かりました】

【昨夜発生しました火災は、未明までに鎮火され周辺への影響はありませんでした】

耳障りな程放送されるその内容は、昨日の戦いでの被害状況

その話題で持ち切りだった

これが後の"瀬戸大橋跡地の合戦"と呼ばれる事になる