7話 ページ13
須美side
須美「皆さん、おはようございます」
「お、おはよう鷲尾さん」
私の登場により、質問攻めに遭っていたそのっちから気まずそうに各々離れて行く
困ったような笑みをお互い向けながら自分の席へ向かう途中、横から男子生徒に声を掛けられ足を止めた
「あ、あのさ…事情は分からないけど、三ノ輪は…皆の為に……」
男子生徒の方に顔を向けて立ち止まり言葉を紡ぐ
須美「それが出来る強い子だったから、神樹様に選ばれたの」
銀の名前を心配そうに呟く男子生徒も私達と同様の気持ちだったのかもしれない
須美「三ノ輪さんの事を思ってくれるのなら、そっとしておいて…」
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蝉の鳴き声が響く中、次の襲撃に備えて訓練をしていた
わっしーが素早く的に向けて矢を放つと、薙刀で斬り込みを入れ、園子も槍の先端を飛ばす
訓練が一段落すると、ふと銀の事を思い出してしまう
一緒に訓練して、高め合って、連携も取れるようになって…
はぁ、と小さく溜め息を漏らす
須美「そのっち、ふたっち」
隣に居たわっしーの声で我に帰った
双葉『あ、ごめんね。ぼーっとしちゃってた』
園子「もうワンテンポ早くなきゃだよね〜」
須美「…ねぇ、勇者には気分転換も必要じゃないかしら?」
そう言い安芸先生の方を向くと、コクリと頷いてくれた
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灯籠に橙色の火が灯った頃、浴衣を着て神社へと向かう
今日は年に1度の夏祭りの日
園子は桃色の布地に朝顔が所々に咲いている浴衣を着ていて、髪もポニーテールに結っている
私も園子と色違いの水色の浴衣を着て、二つ結びにリボンで結って貰った
園子「わっしーから遊びに行こうって言う何て、珍しい事もあったもんだ」
須美「先生から許可を貰えて良かったわ」
双葉『今日はお役目を忘れて楽しもう』
そう言い終わると同時に、園子は軽い足取りでスキップをして前へ進み携帯カメラを構えた
園子「わっしーも気合十分だしね〜」
須美「これは親に着せられたのよ…」
慌てたような声色で反論するわっしーを「うんうん」と軽く受け止める
髪はいつも通りだが、紺色を基調とした浴衣を身に纏い、大人っぽい雰囲気を放っている
双葉『似合ってるよ、わっしー』
園子「うんうん!お人形さんみたいだよ。くるくる回ってみて」
須美「恥ずかしいわ」
頬を少し赤く染めながら言うわっしーに園子が「良いから良いから〜」と催促すると、要望に答えてくれた
ラッキーカラー
あずきいろ
今日の勇者キャラは?
乃木 園子(小)
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作者名:しーちゃん | 作成日時:2020年6月11日 20時