6話 ページ12
玄関の扉を開けると、日光が目を刺激して一瞬目を瞑ってしまう
昨日までの雨が嘘のような快晴だ
通学中、飛鳥からメールが届いているのに気付くと内容を確認し返信する
飛鳥ふたのん大丈夫?
双葉うん、大丈夫だよ
飛鳥良かった〜!全然返信来ないからすっごく心配したよ〜
そんなやり取りの最中にあるトーク画面を微笑みながら見ていると、隣に座っていた園子が「お姉ちゃん嬉しそう…」と呟いた
そんな事もいざ知らず、画面に向かって困ったような笑みを浮かべながら突っ込む
双葉『心配性ね…』
園子を神樹館まで送り届けると、私も1日ぶりの学校へ向かった
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園子side
_in神樹館
お姉ちゃんと別れた後、校舎に入り自分の教室へ向かう
ドアの前まで来ると、いつも通り中から賑やかなクラスメイトの喋り声が聞こえる
ガラガラ
教室のドアを開け、クラスメイトに挨拶を交わす
勿論、サンチョも同様に挨拶を交わした
賑やかだった教室が一気に静まり返り、気まずそうな雰囲気を放つ
「あ、あの乃木さん。私ずっと聞きたかったんだけど…」
何事もなく席へ向かおうとすると、委員長さんに呼び止められ足を止めた
委員長さんの言葉に相槌を打ち、どんな話題が振られるか静かに待つ
「だけど神樹様のお役目の事は聞いちゃいけないって言われてて…」
言いずらそうに言う委員長さんに目を見開き「ふぇ?」と間抜けな声を出してしまう
「乃木さん、昨日告別式の時にもお役目があったんだよね?」
「消えたものね」
その言葉に反応するように「ちょっと…」と委員長さんが制そうとするが聞く耳を持ってくれない
「大丈夫なの?怖くないの?」
園子「え?あ、うん…」
「乃木さん、お役目って一体どんな事をしているの?」
委員長さんは意を決したようにそう言うと皆食い気味に聞き耳を立てる
「おい、本人に聞いたらダメなんだぞ!大赦に消されるんだぞ!」
「それ言ったお前が消されるぞ」
「うおー、マジか!俺消されるー!?」
後ろで騒いでる男子を無視して、1人の女子が口を開いた
「銀ちゃん、教科書に載るんだって!お母さんが言ってた!凄いね!」
「乃木さんも鷲尾さんも頑張ってね!」
「神樹様に選ばれる人はやっぱり凄いんだねー」
「神樹館のヒーローだよ。応援してる!」
悪気がないのは百も承知だが、お世辞にも良い思いはしない
園子「あのね…そうなりたかった訳じゃないのさ〜」
ラッキーカラー
あずきいろ
今日の勇者キャラは?
乃木 園子(小)
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作者名:しーちゃん | 作成日時:2020年6月11日 20時