Another Memories…3 ページ39
飛鳥「わっしーちゃんと何かあった?」
目的のチーズ蒸しパンを購入し病室へ戻る道中、真剣な声色でそう問われた
双葉『…何かって?』
そう聞き返すと「わっしーちゃんと喧嘩でもした?」と再び問われ、口では否定するも頭の中を駆け巡るのは今ではもう二度と叶わない夢のような日々の数々
銀が死んでしまった時と同じように、又もや目を背けていた
現実を受け止め切れなかった
だからか、思わずこんな質問をしてしまった
双葉『もし…私が飛鳥の事忘れたらどうする?』
案の定、話の糸口が見えず混乱する飛鳥に「もしもの話だよ」と付け加えると、少し悩む素振りを見せた後、考えが纏まったのか固く結んだ口を開いた
飛鳥「私は…これまで通りふたのんと接するよ」
その言葉に目を見開くと、飛鳥は微笑みながら言葉を紡ぐ
飛鳥「だって私、ふたのんの事世界一大好きだからね〜♪」
飛鳥らしい答えに思わず笑みが溢れる
飛鳥「ふたのんは?ふたのんは私の事好き?」
双葉『さぁ、どうでしょう』
飛鳥の言葉を曖昧に流して"乃木双葉"と書かれた名札のある病室の取っ手に手を伸ばし、パンで塞がれた聞き手とは反対側の手で扉を開ける
双葉『後、さっきの子わっしーじゃないから』
飛鳥「へ?」
"あの子はわっしーだけどわっしーじゃない"
そう自分自身に何度も何度も繰り返し言い聞かせながら、病室の扉を閉めた
−−
−−−
「そろそろ面会時間終了です」
扉から顔を覗かせてそう呼び掛ける看護師さんの声を聞き、ガラス越しに映る茜色の空を見詰めながら「もうそんな時間か」と思う
飛鳥「じゃあ、また明日ね!」
そう言って椅子から立ち上がり、ひらひらと手を振りながら嵐のように去って行った
1人になった途端、今日あった出来事が頭の中を駆け巡る
偶然とは言え
だが、複雑な思いは消えない
つまり"赤の他人"なのだ
でも、元気そうな顔が見られただけで安心した
今、
それを私の我儘で邪魔してはいけない
これで良いんだ…
これで…私も前へ進めるだろうか
ふとベッド脇にある引き出しに目を向け、㊙️と紙面全体に書かれた資料を取り出す
この資料は先日、"大赦の研究員"と名乗る"柳沢"と言う男から手渡された物だ
取り敢えず目を通す事にしようと資料に手を掛けた
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ラッキーカラー
あずきいろ
今日の勇者キャラは?
乃木 園子(小)
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作者名:しーちゃん | 作成日時:2020年6月11日 20時