乃木双葉は■■■である (ページ5)

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茅野side

ふと隣を伺うと、目をキラキラと輝かせて京都のガイドブックに目を落とす乃木さんの横顔を見て思わず笑みが溢れる

それにしても、何見てるんだろ？

内容が気になり、気付かれないようにそーっと近づき、覗き見ると京都の神社についての特集ページが開かれていた

茅野「はーい、私八坂神社行きた～い！」

そう言いながら手を上げて写真を指差すと、ビクッとあからさまに動揺してガイドブックを落としそうになる乃木さんに優しく微笑み掛ける

双葉『嫌、これは…その…たまたま目についただけで…別に行きたいとは＿』

奥田「良いですね！暗殺スポットからも割と近い所にありますし」

奥田さんナイス！

そう、八坂神社は神崎さんが考えてくれた暗殺スポットから近いのだ！

杉野「確かに…京都つったら寺とか神社だもんな」

渚「うん、乃木さんもそれでいい？」

双葉『…はい、皆さんがそれで宜しければ』

頬を軽く染めながら、もごもごとそう言う乃木さんを横目で見て頬が少し緩むのを感じた

－－

殺「1人1冊です」

立て付けの悪い扉がゆっくりと開かれると、両手いっぱいに辞書のように分厚い本を持った殺せんせーが姿を表す

それを見た学級委員君が恐る恐る｢何ですか？｣と問うと、｢修学旅行の栞です｣とマッハで移動しながら答えた

三村「重っ…」

前原「辞書だろこれ！！」

思わずそう言いたくなるのも頷ける

机の上に置かれたのはまさしく辞書…否、それ以上の厚さがある栞

どのような内容か少し気になり、ペラリとページ捲る

次から次へとページを捲る度、何処か懐かしさを感じた

殺「イラスト解説の全観光スポット、お土産人気トップ100、旅の護身術、入門編から応用編まで。昨日徹夜で作りました！」

興奮気味に早口で話す先生の声に耳を傾けていると、何となくだが"懐かしさ"の正体が分かったような気がした

あぁ、そうだ

2年前…園子達が6年生の時、アスレチックパークに備えてわっしーが徹夜で作った栞も同じような厚さ…嫌、それ以上だったかもしれない

楽しい記憶に混じって一瞬だけ脳裏に浮かんだのは、その後に起きた惨劇の数々だった

それらを振り払って、厳重に鍵を掛けて蓋をした

－－

渚side

殺「初回特典は組み立て紙工作金閣寺です」

そう言う殺せんせーの触手(手)には、見本と思われるミニチュア金閣寺がある

3年E組は暗殺教室

普通よりも盛り沢山になるであろう修学旅行に、やっぱり僕もテンションが上がっていた