乃木双葉は■■■である (ページ37)

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そう言って満面の笑みを浮かべる自律思考固定砲台さん改め、りっちゃんと級友のやり取りを見て何処と無く懐かしさを覚えた

その瞬間、頭に駆け巡るのはあの頃の記憶の数々

駄目だ…早くこの感情に蓋をしなくては＿

気を紛らわすように再度小説に目を落とそうとしたが、｢ふーたばちゃん！｣と人懐っこい声が頭上から聞こえ、いつも通りを装って顔を上げた

双葉『…カエデさん、どうしました？』

普段通りにこにこと無邪気な可愛らしい笑顔を浮かべた茅野さんが、いつも以上にとても眩しく感じた

－－

業side

渚「上手くやって行けそうだね」

ボーッと変貌を遂げた転校生の方を見ていると渚君からそのように声を掛けられ、顔を向ける

何を言いたいのか簡単に理解出来たが、開発者(持ち主)がいる限りそう簡単には行かないだろう

｢うーん、どうだろう｣と唸り、渚君にも分かるように説明する

業「寺坂の言う通り殺せんせーのプログラム通り動いてるだけでしょ？機械自体に意思がある訳じゃない。あいつがこの先どうするかはあいつを作った持ち主が決める事だよ」

｢…それにしても｣と先程から視界の端で仲良さげに話している乃木ちゃんと茅野ちゃんにチラリと目を向けた

業「…あの2人仲良いんだね」

渚「うん、修学旅行でお互いを名前で呼ぶくらい距離が縮まったらしいよ。茅野が凄い喜んでた」

隣で話している2人を見る限り、明らかに距離が近付いているのが分かる

頬杖を付きながらそんな様子を見ていると、茅野ちゃんから｢あ、そうだ！｣と何かを思い出したような声が聞こえた

－－

茅野「明日の放課後、一緒にスイーツバイキング行かない？」

双葉『…スイーツバイキング、ですか？』

茅野「そうそう、双葉ちゃん和菓子好きでしょ？」

え、どうしてそれを…？

趣味は勿論、好きな食べ物何て自己紹介の時や質問の時に聞かれた覚えもなければ答えた覚えもない

要は、言った覚えがないと言う事だ

茅野「何でって、双葉ちゃんがほうじ茶わらび食べてる時いつもより表情が柔らかかったからね～。それで、もしかしたらって思ったの」

何故と疑問に思う私の心を見透かすようにそう言う茅野さんは何が楽しいのか、普段より一層にこにことした表情を見せた

その顔が何処か勝ち誇った顔をしているように見えたのはきっと気のせいだろう

それにしても、好物を食べている時頬が緩んでいたとは思いもしなかった

だから、いつも視線を感じるのか

誰からとは言わないが…