乃木双葉は■■■である (ページ24)

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渚side

中村「でも甘いわ、出口は私達が塞いでる。浴槽から出る時必ず私達の前を通るよね。殺す事が出来なくても裸ぐらいは見せて貰うわ」

浴衣の袖から対先生用ナイフを取り出した中村さんに対して、いつもの余裕ある笑みを浮かべる

殺「そうはいきませんせー」

そう言って、お風呂にあったお湯を残らず寒天のように固めて、ちゃっかり服で隠れていた部分を隠して立ち上がった

中村「煮こごりか！」

殺「おっと、湯冷めしてしまいます。にゅや！」

そう言って、窓の隙間から器用に逃げて行く殺せんせーを見送った

渚「逃げた…」

岡島「中村…この覗き虚しいぞ」

岡島君にそう言われ、悔しさの余り言葉に出来ない声を上げた

渚「修学旅行で皆の事色々知れたけど…」

岡島「殺せんせーの正体は全然迫れなかったなー」

杉野「大部屋でダベろっか…」

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やっとの思いであの地獄から逃げ出す事に成功した私は超特急でイリーナ先生から逃げて来た為、現在進行形で過呼吸に陥っている

双葉『はぁ…はぁ…、流石にもう…追い掛けて来ない、よね…？』

心臓部分を押さえて息を整えると、誰に聞かせる訳でもなく途切れ途切れに言葉を紡いだ

「そんなに息切れしてどーしたの？大丈夫？」

突如、頭上から聞こえた間延びした声に驚いて肩が揺れた

平然を装い顔を上げると、そこには飲み物を片手に何故か驚いた顔をしている赤羽君が視界に映る

双葉『…大丈夫です』

そう告げ、そろそろ大部屋に戻ろうとその場を後にしようとするが、何故か腕を掴まれ拒まれてしまう

双葉『他に何か？』

業「んー？」

自身の目を指差して曖昧にそう言う赤羽君を見て、何となく右目を触れると普段着けている物の感触がない事に気付き赤羽君が言いたい事を瞬時に悟った

双葉『…ない』

何がないって、リボンと一緒に脱衣場から持って来た筈の眼帯がないのだ

急いで心当たりのある場所(浴衣の袖口)を探ると、目的の物(眼帯)が見付かり一安心した

鈍足ながらも急いで逃げて来た為、不覚にも肝心な眼帯を着けるのを忘れてしまっていたみたいだ

しかも、赤羽君に言われるまで全く気付かなかった

教えてくれた赤羽君には誠心誠意感謝の意を示すべきだとは思うが、態々隠していた右目を見られてしまったと言う事実は変わらない

最悪だ…

急いで眼帯を装着して一応感謝の意を述べる為、再び赤羽君の方に向き直った

双葉『感謝はしていますが、今見た事は早急に忘れて下さい』