◇ ページ5
それからは主にリイナと田中さんが喋り、話を振られることがあれば私も発言した。
でも、松村さんは一度も声を発することはなかった。
……焼き鳥はたくさん食べていて、不覚にもちょっとかわいいなぁなんて思ってしまったけど。
.
次々と運ばれてくるお酒とご飯。と、焼き鳥。
リイナも田中さんも、ここに来る前にもお酒飲んで諸々食べてたのにまだ頼むの…?
『Aちゃんは?あと何食べるー?』
お酒、強いのかな。
結構飲んでるように見えるけど、1軒目のはじめの頃とさほど変わった様子は見られない田中さんにそう聞かれたけど、私はもう正直いらない…
[えーと、私はもう十分っていうか…]
『あれー?そうなの?』
『えー!A食べなよー!』
リイナもお酒が入って、既にめんどくさいモードに突入済みだった。
こうなったらリイナは無視するのが得策だと、私は知っている。
そのまま放っておいたら、ついに好き勝手喋り出したリイナに絡まれている田中さんが、眉を下げながら笑って、“困ったなぁ”とでも言いそうな顔でこちらを見てきたから、
[そうなったリイナはもうどうしようもないですよ笑]
なんて言ってみれば、
『えぇ、そんなぁ。Aちゃん助けてよぉ』
[無理ですし、嫌です。酔っ払ったリイナに話しかけられても、反応したらダメなんですよ]
93人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夕霧に向日葵 | 作成日時:2022年7月2日 17時