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その中でも一際明るい髪色の、『俺ジュリだよー』なんて言ってモテそうな笑顔を振りまいていたピンク頭の隣にいた黒髪の子は、他の子とは明らかに違うテンションで座っていた。
なんというか、帰りたいオーラ?がすごい。いかにも、無理矢理連れて来られました、みたいな感じ。
自己紹介しなきゃいけない感じだったから、私も、[はじめまして、AAです]なんて名乗ってみたら、さっきのジュリとかいうピンク頭に『Aちゃんっていうんだ、かわいい名前だねー!』なんて言われた。
いきなり名前呼びかよ、距離の詰め方すご。
でも、こういう人が友達も多くて結局なんでも上手くいくタイプの人間なんだろうなぁとか思っちゃったけど、ばっちり人見知りを発揮していた私には、(にこ)と笑い返すので精一杯だった。
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その後も何人かの男女が簡単な自己紹介をしていたけど、女の子たちは必要以上にきゃぴきゃぴしていたし、男の子たちもなんだか空回りしているようにしか見えなくて、私は早くもどうやってこの場を抜け出すかに思考がシフトしていた。
そんな時、ついに黒髪の子の番がやってきた。明らかに嫌そうな顔をしている彼が、どんなことを言うのかに興味があった。
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作者名:夕霧に向日葵 | 作成日時:2022年7月2日 17時