Call me------ (ページ6)

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Juri-5 ページ6

【Your Side】

[中...上がって？]
｢...おじゃまします｣

樹をここに上げるの、何回目だっけ...
ふいにそんなことを思った。
大学の頃もそうだし、社会人になってからもちょこちょこ上げてたし。もう、わかんないや。でもただひとつ確かなのは、確実に彼よりも多く上がっているということ。

[...]
｢...｣
｢なんかあった？俺でよければ話、いくらでも聞くよ？｣
[...]
いつも、そう。
呼びつけておいて何も言わない私に、樹は嫌な顔ひとつせずに待っててくれる。

｢今はまだ話したくなければ、話したくなるまで俺は待ってるし、話したくならなければ話さなくていいからさ｣
[...話したくない、わけじゃ、ないの。]
まだ涙が止まっていない私の声は途切れ途切れ。それでもちゃんと聞こうとしてくれる樹。
[だから、あと、もうちょっと。もうちょっとだけ、待って]
｢うん、待ってるよ｣
優しく微笑んで、そう答えてくれた。

樹を見て出てきちゃった涙もだいぶ引っ込んできて、落ち着いてきた。

[樹、あのね...]
｢うん｣
そして私は、樹に話した。
今日も会う約束をしていたのに約束の時間を過ぎてから来られないと言われたこと。
最近こういうことが続いていること。
会うのを避けられているような気がすること。
運が良くて会ってくれた時も、昔のような楽しさはないこと...。

でも、彼に新しい好きな人ができたような気がすることは言わなかった...というか、言えなかった。なんとなく。