Juri-11 ページ12
ちょっと目を伏せながら、自嘲するような話し方で話す樹。
「ゼミだけじゃなくてサークルも同じだったのは奇跡だと思った。サークルの飲み会で連絡先交換して、ちょっとずつ遊ぶようになって、俺、マジで嬉しかったしさ。もしかしてこれ、うまくいっちゃうんじゃねぇかとか思ったりして。」
大学の頃からなにかとかっこつけて、いつも周りは派手な男女に囲まれていた樹。
樹が、その樹が、本心を話してくれている。
なら、
「俺は、Aがアイツのこと好きなの知ってるし、だからといってどうしようとかっていうことじゃないけど。でも、もし、アイツがAにふさわしくないんだったら。アイツが、Aを大切にしてないんだったら。いつでも俺がいるから。それだけは覚えといて。」
フラれるの分かってて言ってるからさ、と樹は付け足した。
樹が、本心を話してくれた。
それなら、私も。
気づいていた違和感から、気づいてしまった気持ちから、目をそらしてはいけない。
私も、伝えなければ。
[樹?]
「ん?」
[私もね、樹が好きだよ]
25人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夕霧に向日葵 | 作成日時:2021年9月25日 15時