イケボの彼はドSだったらしい。【川村壱馬】番外編 (ページ30)

今日:21 hit、昨日:6 hit、合計:996,228 hit

☆悔しくて、悔しくてページ30

Kazuma side

.

…っ、やばい

気持ち悪くて目眩もする、…

.

.

耐えろ、俺

今日は大事なレコーディング日なんだ

俺のせいで二人に迷惑をかけるなんて絶対に出来ない

我慢するんだ…

.

.

Aと連絡が取れなくなって一ヶ月程経った

勿論、未だにあいつは俺につきまとってくるし

何も知らないメンバーは、俺とAはちゃんと話をして仲良くしてると思ってる

.

毎日、沢山のプレッシャーが積み重なって

それでもAだけは守らないといけない責任もあって

…全部、あいつが来てから

俺は

身体的にも、精神的にも限界だった

.

.

食欲が無いからメシは食えない

疲れていても眠れない

…これがほぼ毎日

そのせいで大事なレコーディング日の今日は、体調が悪い

.

いつも通りマスクしてるからバレてないけど

熱っぽくて気持ち悪くて目眩がする

やばい、次俺だ…

.

.

俺はいつも通り、スタッフの方々に挨拶をしてマスクを取って

ヘッドホンを付けてスタンバイした

.

一回目、歌い出して早々にプロデューサーに曲を止められた

「…壱馬どうした？全然声出てないじゃん」

壱「…っすみませんもう一度お願いします、」

そこから何度も止められ、焦るのは俺だけじゃなくなってきていた

「…はぁ、一回、休憩してきて。RIKUと北人も」

.

.

原譜を机にバサっと置いてスタジオを出て行ったプロデューサーを見て

何も出来ない自分自身に、悔しくて涙が出そうだった

.