33 ページ35
2人の足音が聞こえなくなった瞬間、彼が深い息を吐きながら、私にもたれ掛かってきた。
「はぁ〜、ホンマ疲れた〜」
そう言ってネクタイを緩める。
「珍しい。センラくんがそんなベタベタしてくるなんて」
「だってさー、最近連絡全く返ってこんし、嶋坂さんに聞いても今忙しいからの一言やし。不足してんねん。充電させてや〜」
そう言って私の肩にぐりぐり頭を擦り付けてくる。
「摩擦でハゲるよ。あと、私で汗拭くな」
そうしてからの頭を片手で押さえた。
だって、彼女でもない私にこういうことしないで欲しい。
期待してしまいそうになるから。
こどもの事、伝えないって決心が揺らぎそうになる。
「もう、センラくんには連絡しないよ…」
「…なんで？」
私から頭を持ち上げ、膝に手を置くと、こちらに向き直ってきた。
これは、彼の話し合いをする時の合図。
それに応じず、わざと反対を向く。
「この関係さ、私が提案しといてなんだけど、やめない？」
「いやや。ホンマのこと言って」
そう言って、肩を強く捕まれ、強制的に彼の方を向かされる。
「嘘じゃないって…」
「いいや、嘘だね。だって、A嘘つく時絶対目逸らすん、気づいてた？」
ほんとに、この人には敵わない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2020年11月10日 22時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - コメント失礼します、！めちゃめちゃ面白かったしめちゃめちゃ泣いちゃいました（ ; ; ）こんなにいい作品に出会えてよかったです！！ (2020年4月19日 11時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 関西風しらすぅ@坂田家さん» 小ネタに気づいていただけて、嬉しいです！センラさんはついつい美化して書いてしまいます〜笑。これからもよろしくお願いします〜！ (2019年9月8日 8時) (レス) id: d6447dcd81 (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - ちょいちょいキャスの「やるやんが聞きたくて」とか「小賢しさが？」とか入れてくるの大好きです。かわいい。かんなさんの書くセンラさん美しいですね〜！台詞ひとつひとつセンラさんが言いそうで感情移入しやすいです◎これからも愛読していきますね！ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ひぐれさん» ありがとうございます〜！そう言っていただけると励みになります！ (2019年9月6日 18時) (レス) id: d6447dcd81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かんな | 作成日時：2019年8月6日 20時
