つきあってみた【浦島坂田船】

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そろそろ諦めたほうがいいのかな。



なんて思い始めてきた。



このこと以外、別に不満があるわけじゃないし、むしろ仲良くやっていると思う。



寂しいけど、仕方ない。いっそのこと私も背を向けて寝るか。



そんな気まぐれに過ぎない一時の感情で、初めて彼に背をむけて寝た。



朝、いつものように気だるい体を起こしたとき、息が止まるかと思った。



いつも背を向けて寝ていた彼の顔が、真横にあった。



しかも、いつも端ギリギリで眠っていた彼が、確実に私に近づいてきていた。



飛び出しそうな心臓を押さえ、初めて見た彼の寝顔をまじまじと見る。



髪、柔らかそう。なんて思い、彼の頭に手を伸ばした。



普段、頭を触られることを嫌がるが、このときばかりは何もいわない事をいいことに、頭を撫でてみる。



うわー、ちょっとカップルっぽいんじゃない!?なんて心は躍る。



それにしても、体温が直接伝わってきて心地良い。



ただ、バレると後々面倒なので、この辺りで切り上げて顔でも洗いにいくか。



そう思って手を離した瞬間、彼の手が、私の腕を捕らえた。



まるで、撫でるのを続けて欲しい、とでも言うかのように。



その瞬間、彼と目が合ったと思うと、みるみる彼の顔が赤くなっていった。



そして、そのまま隠すようにまた私に背を向けた。



ここで私は気付いてしまった。



私との距離が嫌なんじゃない。これは照れ隠しだ。ということに。




しょうがないな、仕方ないからいつまでも君の背中を見つめていよう。




なんて思った朝＿＿＿＿。

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