玖 ページ9
「ねぇ、炭治郎。これ誰のかわかるか⁇」
「うーん、この匂いに覚えはないなぁ。俺の知っている人のものじゃないな」
「…やっぱり」
「なにがやっぱりなんだ?」
「これ、Aちゃんの使ってるリボンなんだよ。炭治郎、Aちゃんの匂いがわからないの⁇」
それを聞いた炭治郎は気まずそうに頭をかいた。
「あぁ、、、。実は、Aの匂いだけ嗅ぎ分けられないんだ」
そうはにかんだ。
「ふむふむ。それは興味深いですねぇ」
「うわぁ‼胡蝶さん‼」
突然炭治郎の後ろから出てきた胡蝶に驚いて飛びのく。
「わたしも不思議に思っていたんですよ。どうやら炭治郎くんは、Aさんの感情は読み取れるようでしたが、ものの匂いに関して鈍いようでしたから」
「匂いがしない訳じゃないんですよ。ただ、なんて言うんだろう、色々な匂いに変わってしまってその時々で匂いが変わる感じで…」
「良かったら、わたしに訳を教えてもらえませんか?そこにいるんでしょう、Aさん」
その一言で話の中心となっている少女が控えめに柱の陰から出てきた。
昔起こった悲しいお話の内容が今、紐解かれようとしている。
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作者名:かんな | 作成日時:2019年12月31日 18時