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「ほんっともう鬼とは思えない可愛さだよねぇ〜」




この言葉に私がどれ程の衝撃を受けたことか。




「…鬼⁇誰が⁇」




恐る恐る善逸くんに聞く。





首筋を冷たい汗が滑るのを感じた。





「え⁇誰って、禰豆子ちゃんだよ⁇」





軽く目眩がした。





「どういう事なの?他のみんなは?」





思わず詰め寄る。





「えっと、知らなかったの、もしかして…」





詰め寄る私の前に両手を出し、顔を背けながら気まずそうに答えた。





「知らない。確かに炭治郎と出身の山は同じだけど、少し前に出たから知らない」





「…何してるんだ⁇二人とも」





廊下を通りがかったのであろう炭治郎がこの異様な光景を目にして、部屋を覗き込んだ。





「あ‼たんじろぉ〜、ちょっと禰豆子ちゃんの話をですね…」





そう言いながら気まずそうに視線を泳がせる。





「あぁ、Aは何があったか知らなかったもんな。俺から説明しよう」





そう言って私の前に腰を下ろした。





「簡潔に言うと、俺が山を降りている間に家が鬼に襲われた。そうして禰豆子は鬼になってしまった」





言葉が出なかった。





思わず口を手で覆う。





「他の家族は、助けられなかった…。鬼にはなってしまったが、生き残ったのは俺と禰豆子だけなんだ」





悔しそうに眉根を寄せた彼。





私は何も言葉が出ず、唇を噛み締め下を向いた。





「でも、禰豆子は人を襲ったりはしない。まだ一人も食ってない。…どうした?気分が悪いのか⁇」





「…んなさい」





「ん⁇」





「ごめんなさい…。ごめん、、、」





「どうしてAが謝るんだ?Aは何も悪いことはしていないだろう?」





私のせいだ。私がいたから彼らは亡くなってしまった…。






私さえいなければ、あの時どうして助けたの。

漆〜善逸視点〜→←伍



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作者名:かんな | 作成日時:2019年12月31日 18時

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