*ライバル ページ16
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「じゃあ今日はこれくらいで!お疲れ様〜」
力矢さんの声で夕方まで続いたリハは終わり、全員帰る準備をし始めた。
壱「北人、家じゃ話しづらいから今からちょっとええか?」
北「…うん」
2人でスタジオを出て、近くの部屋に入った。
壱「…あのさ、さっきの続きやけど」
北「…最近噂が流れてるのは、知ってた」
北人は少し俯きながら話し始めた。
北「最初に声をかけられたのは啓司さん。
ずっと思ってたけど北人とAってすごい仲良いけど付き合ってるの?って言われて、もちろん否定したよ。
だけど周りからもそう見られてたのか、そんな噂が段々広まっちゃって。
…だけど、僕は心の中でそう思われてることが嬉しくて。
でももちろんそんなことは許されないから、いつか、Aちゃんが僕のことを見てくれるまで本気で想ってる。
結成当初からずっと、この思いは変わらないから」
北人がどれだけAを本気で想っていたのか、初めて知って。
壱「…俺な、今日そんな話を初めて聞いて正直悲しくて辛くて、どうしようもない気持ちになった。
昔からAに関してそんなことは沢山あったんやけど、なんか違うような感情で。
それはな、北人だったからやと思う。
ずっと隣で歌ってきてずっと一緒にいる大切な仲間で、北人には幸せになってほしいと思ってる。
だけど…Aとのことは応援できへん。
気付いたんや。
俺ずっと2人のこと邪魔しちゃあかんって目瞑ってた。でもただ自分の思いから逃げてるだけで。
俺北人の気持ち聞いて決めた。
これからは正々堂々向き合う。
…北人、これからライバルとしてよろしくな」
俺がそう言って笑うと北人も笑って。
北「…うん」
スタジオに戻るとまだ何人かがいた。
陣「おー荷物残ってると思ったら2人やったんか笑」
壱「はい笑 すみません今準備します」
俺が荷物をまとめていると慎が寄ってきて。
慎「話、してたんですか?」
壱「家じゃ話しづらいからな。ちゃんとライバル宣言してきたわ笑」
慎「いつもの壱馬さんに戻って良かったです」
壱「ありがとな。慎」
お互い気持ちを確かめたからにはもう後戻りはできへん。
これから正々堂々勝負しような、北人。
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作者名:もも | 作成日時:2017年5月20日 22時