*本当の気持ち ページ13
暫くして玲於さんと亜嵐さんは昼休憩で出て行き、スタジオには俺と慎、北人とAの4人だけになっていた。
慎「…壱馬さん?」
壱「…あ、ごめんどした?」
慎「昼休憩行きましょう」
壱「せやな…」
スタジオ一面にある鏡から未だに仲良く話している2人をぼーっと見ていると、慎に声をかけられて。
事務所近くの定食屋に決まり向かっている途中にも、俺はずっと2人のことを考えていた。
慎「壱馬さんこれ美味しいですね」
壱「せやな…」
慎「これ何の魚ですかね?」
壱「せやな…」
慎「お味噌汁っておかわりできるんですかね?」
壱「せやな…」
慎「…壱馬さんさっきからせやなしか言ってないですよ」
壱「せやな…」
慎「…あの」
食べてる時でも頭から離れなく慎の話に曖昧に返事をしていると、慎は急に箸を置いて真剣な表情で俺を見てきたため、俺は顔を上げた。
慎「あの2人のことですよね」
壱「…ん」
慎「…壱馬さんは今、どんな気持ちですか?」
壱「気持ち…」
確かに今俺はなんでこんなにモヤモヤしてるんや?
どんな気持ちなんや?
悲しい?寂しい?虚しい?辛い?
それは2人が付き合ってるかもしれないことに対してなんか?
壱「俺今…よく分からんけど、なんかすごくいろんな感情やねん」
慎「いろんな、ですか?」
壱「悲しいし、寂しいし、なんか苦しい気もするし、やきもちやいてるのかもしれんし」
慎「それはAちゃんのことをずっと幼馴染として見てきたからですか?」
壱「そうなのかもしれへんな…
小さい頃からずっと傍で見てきて、Aはなんかこう、兄妹とか家族とかそんな感じやねん。
恋人にしたいかって聞かれたら分からなくて、ただ俺の傍にいてほしいだけやねん。
Aに彼氏ができるのも嫌やし、俺も彼女なんていらんからただAがおればそれでええねん。
だからさっきの話聞いて、俺もどんな気持ちなんか分からんねん…」
慎「それは、壱馬さんはAちゃんのことが好きってことですよ」
壱「もちろん、好きやで?」
慎「それは幼馴染としての好きです。
壱馬さんは本当の気持ちに蓋をして気付かないフリしてるんじゃないですか?
相手が大切なメンバーの北人さんだから一歩下がって譲ってるんじゃないですか?」
壱「本当の気持ち…」
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作者名:もも | 作成日時:2017年5月20日 22時